応用展開
2023 おかやまSDGsフェアにて好適環境水とアポアニックスを紹介しました。 |
循環型養殖では飼育種が排出するリンや窒素化合物が飼育水へ蓄積するため、これらの成分を連続的に除去する技術が求められます。通常は吸着法や活性汚泥法を用いて飼育水の連続浄化が行われます。一方、飼育種が排出したリンや窒素化合物を植物の栄養源として直接利用する複合養殖「アクアポニックス」は、特殊な機材や設備を導入することなく飼育水の浄化と植物の成長促進を両立できることから、養殖と農業とのハイブリット技術として高い注目を集めています。本センターではハタ科魚類とミニトマトなど様々な海産魚類と栽培種とを組み合わせ、それぞれの成長効率を調査するとともに、「餌ー魚体ー飼育水ー植物体」に含まれる窒素成分の移動過程追跡を通じて、より実用的な複合養殖の実現を目指します。 |
種苗 (仔魚や卵) の飼育には、成魚の飼育とは異なる特殊な水槽や飼育条件が求められます。本センターでは、水槽内での飼育水の流れ観測や流れのシミュレーション解析から、種苗の生産や飼育に適した水槽の形状を明らかにします。また、これまで水槽作成には利用されていない材料や新素材を積極的に活用することで、種苗飼育の簡便化・効率化を目指します。 |
アスタキサンチンは甲殻類やサケ科魚類が有する天然の赤み成分であり、非常に強い抗酸化力を示します。一重項酸素やヒドロキシラジカルの消去を通じて、生物が紫外線から受ける酸化ストレスを軽減すると言われています。本センターでは、上海蟹 (中国産モクズガニ) の近種でありながら日本各地の河川で収穫可能なモクズガニ (Eriocheire japonica) に着目し、アスタキサンチンを添加した餌を与えることで抗酸化能を付与・強化したモクズガニの循環型陸上養殖を目指します。 |