岡山理科大学ワインプロジェクトプログラム

ワインの醸造

ワイン用ブドウの生産 一年の栽培記録農学・理学

日本におけるブドウ栽培は、欧州や新大陸の産地に比べて雨(特に梅雨)や気温(夏の猛暑)の影響がその年の収穫量を左右する状況にあります。そのため、tetta(株)ではそれらの気候的な影響を軽減して生育環境を改善するために、雨に対しては被覆ビニールによる栽培を行っています。このようにブドウが健全に成長できる環境を整える事が一番肝心であると考えて、一年を通じて栽培しています。

11月~2月 休眠と剪定

寒い冬の間、ブドウの樹の根は活動を休止し、休眠期に入ります。根から枝へ水分を引き上げる事はなく、 枝は枯れた状態に見えます。新年を迎えると昨年実をつけた後の枝の中から、良い芽をもっていると思われる枝を数本残し、他の枝は全て切り落とします。これを剪定と言います。

3月 揚水期

厳しい冬が終わるとブドウは、根から水分を吸い上げ、活動を始めます。枯れたように固くなっていた枝は、水分を吸い上げ柔らかくなってきます。このタイミングで枝を曲げてワイヤーに固定する誘引作業を行います。

4月~5月 萌芽期、芽かき

春になり暖かくなると芽が膨らみ始め、新芽がぐんぐん伸び始めます。この新芽は非常に柔らかくアクもないため天婦羅にすると美味しいです。新芽が20㎝伸びると花芽が見え始め、この花芽がブドウの実になります。この時、全体の樹勢を見ながら不必要な芽を取り除く「芽かき」作業を行います。

6月~8月 開花、結実

新芽はものすごい勢いで新梢を伸ばし、 花芽は親指大から一気にこぶし大に広がり、梅雨時期に開花を迎えます。因みにブド ウの花には花びらがなく、非常に小さなおしべとめしべが開きます。このころのブドウ畑は花から放たれる独特の香りに満たされます。その香りはスミレの花にたとえられ、人によって は磯の香りと表現されます。開花後はすぐに結実して実が膨らみ始めます。

8月~9月 ベレゾン、 登熟期

健全に成長を続けている実は濃い緑色をしていて硬くしまっています。カリカリとした青梅のような食感で、酸味も強いです。梅雨が明けて10日ほどすると青くて硬い実が急に柔らかくなってきます。これをベレゾンと呼び、ブドウが熟し始めるサインになります。この時期はブドウの味を左右する非常に重要な時期にあたり、雨が少なく暑い日が続くと品質は向上し、逆に雨が多いと水っぽいブドウになります。

9月~10月 収穫

糖度と酸度を定期的に測定しながら収穫時期を見極めます。この時期は秋雨シーズンなので雨も考慮しながらの難しい判断が続く時期です。

tetta(株) HPより

ワインの醸造 白ワイン × 赤ワイン工程比較工学

白ワインと赤ワインの醸造では、使用する材料の他、工程の数、熟成期間の長さなどに大きな違いがあります。

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