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    (2023年度 折田)

岡山理科大学プロジェクト研究推進事業
(2023年度 折田)

多波長 – 多光子分光法を利用した新規計測法の開拓

 研究代表者

工学部 応用化学科 教授 折田 明浩

 研究メンバー

 研究・社会連携機構 フロンティア理工学研究所 教授 赤司 治夫
 理学部 化学科 准教授 岩永 哲夫
 生命科学部 生物科学科 教授 林 謙一郎
 理学部 基礎理学科 教授 東村 秀之
 理学部 化学科 教授 満身 稔
 岡山大学学術研究員 環境生命科学学域 講師 田嶋 智之
 倉敷芸術科学大学 生命科学科 教授 仲 章伸

 研究目的 

①本研究の背景

 菅 前首相によって謳われた2050年カーボンニュートラル宣言、乗用車のEV化促進など、現在世界中でエネルギー資源に関わるパラダイムシフトが広がっている。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した世界的な化石エネルギー不足は、燃料費・光熱費の異常な高騰を招き社会基盤を揺るがしつつある。研究代表者(折田)を中心とするプロジェクトチームは化石燃料に代わる環境調和型エネルギーとして利用可能な太陽光に着目し、2021年度より2年間に渡って化学的なアプローチから太陽光の有効活用に取り組んできた。具体的には、光エネルギーによって駆動される化学反応を通じて有用化合物を合成や、太陽光を用いた光電変換から水素を製造する光利用方法論の確立、さらには、光エネルギーを生体活動に巧みに取り込みながら進化を続けてきた植物の物質創製戦略を模した有用化合物合成を展開し、新しい科学領域を切り拓いた。

本研究の着想に至った経緯

 本プロジェクトでは、プロジェクト研究2021から得られた研究シーズを『機能複合化』という方法論を通じて更に発展させ、「光からエネルギーを生みだす」あるいは「光エネルギーを高効率で利用する」ことが可能な機能性材料や植物の生体機能を範とする機能分子の創製を通して、現代社会が抱えるエネルギー問題の解決や次世代に向けた新技術・新科学領域の発展を目指す。

③本研究の目的と研究期間内の目標

 本研究では「ものづくりの化学」という基盤技術に対して、新奇な『機能複合化』を施し高効率でエネルギー利用可能な新エネルギー材料・新機能性分子の創製に取り組む。プロジェクト研究2021では各メンバーがそれぞれ個別のテーマに取り組みスキルアップしながら協働することで、新たな研究シーズとなる新発見・新現象・新展開の端緒を掴んだ。本プロジェクト研究2023では、『機能複合化』という切り口からこれらの知見を更に深化・発展させることで学術的体系化・論文化に取り組む。合成プロセスの複合化から実践的合成ルートを確立し、評価や試験に必要なサンプルを提供する。特性評価から得られた結果を分子設計や素材設計へフィードバックすると同時に、これまで『誰も考えつかなかった機能』を『果敢に複合化』することでエネルギー関連材料の高機能化・新機能発現を狙う。例えば東村が新たに見出した次世代電子デバイス材料の実用化・応用展開では、パイ化合物の合成化学を得意とする折田とタッグを組み、『複合化合成プロセス開発』を通して「迅速合成」「類縁体合成」を確立し、サンプル評価‐分子設計サイクルの効率化・迅速化を図る。また折田・岩永が共同開発した「有機可視光色素とカーボンナノチューブとの複合化技術」では、200%に迫る光電変換効率を狙った『ケイ素架橋複合化色素』を設計し、複合化によってのみ実現する新奇な『ケイ素架橋複合化技術』の光電変換有効性やその学理を明らかにする。また、色素-ナノチューブ複合化技術を活用することでこれまで誰も達成していない光触媒の回収再利用にもチャレンジする。炭素―炭素結合生成反応を含む光触媒反応の開発など本プロジェクトでは多種多様なテーマを展開するが、常に既存化学の単なる延長ではないチャレンジングな新科学領域の開拓に積極的に携わる。

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