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    (2023年度 荒井 )

岡山理科大学プロジェクト研究推進事業
(2023年度 荒井 )

人間と動物の共生を目的とした「人間・動物の負担軽減・ストレス軽減」させる工学システムの開発

 研究代表者

工学部 電気電子システム学科 准教授 荒井 伸太郎

 研究メンバー

 工学部 情報工学科 教授 片山 謙吾
 工学部 情報工学科 講師 小田 哲也
 獣医学部 獣医学科 教授 岩田 恵理
 獣医学部 獣医学科 講師 佐伯 亘平
 獣医学部 獣医学科 特担助教 吉竹 涼平
 広島大学 ナノデバイス研究所 教授 亀田 卓
 エスタカヤ電子工業株式会社

 研究目的 

本研究の背景と着想に至った経緯

 全国犬猫飼育実態調査によると、2022年の新規ペット数は約85万頭だと報告されており、COVID-19感染症の流行以前より高い数字を示している。ペット数の増加に伴い、そのペットの病気やけがを治す動物病院の需要や重要性もさらに高まっている。人間と動物の大きな違いは、動物は人間の言葉をしゃべらないため、治療のための意思疎通が困難な点にある。例として、治療に必要な心拍などのバイタルサインを測定するために動物にモニターを付ける場合、その意味を理解できず落ち着かなくなってモニターが外れてしまったり、ストレスを感じてコードを噛んだり食べたりすることもある。また、獣医師や動物看護師も高度な獣医療の提供が求められ、心理的摩耗から燃え尽き症候群を引き起こしやすい。それが原因で、米国では獣医師は自殺率の最も高い職種の1つと報告され、重大な社会問題となっている。つまり、人間と動物の負担軽減・ストレス軽減は、解決すべき社会的要請の強い課題であり、これが本研究の着想に至った経緯である。

②本研究の目的と研究期間内の目標

 本プロジェクトでは、工学部と獣医学部を有する本学の特色を活かして人間と動物のさらなる共生を目指すため、「人間・動物の負担軽減・ストレス軽減」を実現する工学システムを開発することが目的であり、3つのシステムを開発することを目指す。

(a)発表前の技術のため、非公開

(b) バイタルデータに基づく動物診療スケジューリング最適化AIシステムの開発

 日常の動物病院において、動物たちを検査・診療する(優先)順序を自動でスケジューリングする最適化AIシステムを開発する。順序を評価する尺度は、検査する全ての動物たちの検査・診療完了時間とし、これを最小化するような動物たちの検査・診療順序を自動決定することを目指す。加えて、(a)で得られるデータも利用することで、各ポイントでのトリアージとして機能させ動物の状態が急変した場合にReスケジュールできるようにし、獣医師や動物看護士の判断支援・負担を軽減させる。

 

(c) バイタルデータに基づくアクチュエータ制御AIシステムの開発

 人や動物が入院している環境で、人と動物のバイタルデータに基づいて、空調設備や照明などのアクチュエータを制御するAIシステムを開発する。入院環境では、人と動物が治療を受けながら穏やかに過ごすことが必要であることから、人と動物のバイタルデータを分類するAIと、バイタルデータに基づいて、アクチュエータが人と動物に対して好適な影響を与える動作を自律的に選するAIを開発する。本システムは、赤外線サーモグラフィ等のセンサで得られるバイタルデータをAIで用いることを想定しているが、(a)が実装でき次第、アクチュエータ制御AIシステムへバイタルデータをリアルタイムで使用することも想定している。

 

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