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ABS学術対策

「ABS学術対策」について

 

ABS(Access and Benefit-Sharing:遺伝資源へのアクセスと利益配分)について

 名古屋議定書は、生物多様性条約(CBD)に基づき、2010年に愛知県名古屋市で開催されたCOP10で採択された国際条約です。この条約の基盤となるのが、ABS(Access and Benefit-Sharing:遺伝資源へのアクセスと利益配分)という仕組みです。
 日本は2017年にこの議定書を締結し、国内ルールとして「ABS指針」を施行しました。これにより、日本の大学等が海外の生物資源(植物、動物、微生物、伝統的な知識など)を日本に持ち込んで研究・開発を行う場合、相手国の法令に従って手続きを行わなければ、条約違反(密輸や違法利用)とみなされるリスクが生じるようになりました。

<手続き>

 海外から資源を適法に持ち出すためには、まず国際的に定められた手続きをする必要があります。基本的には「使う前にすべて終わらせる」のが鉄則です。

【1.提供国のABS法令・窓口を確認する】 
   国によって生物資源の持ち出しルールは全く異なります。環境省のABSクリアリングハウス(ABSCH) を通じて、相手国の規制、政府部局の窓口を確認します。
    ABSCH :【 https://absch.cbd.int 】 
【2.相手国政府から「PIC(事前同意)」を取得する】
   提供国の法令に従い、申請書を出して「PIC(採集・輸出許可)」を取得します。現地の共同体や先住民族が関わる場合は、彼らからの合意も必要になることがあります。
【3.相手国側と「MAT(契約)」を締結する】 
   契約の条件を盛り込んだ契約書(MAT)を作成し、双方がサインします。
【4.日本へ輸送・通関】
   PICやMAT、相手国が発行した輸出許可書などを添えて、日本へ輸出・輸入します。
【5.日本国内で「環境大臣への報告」を行う】 
  • 日本の「ABS指針」に基づき、IRCC(またはそれに代わるPIC/MATの書類)の情報を、環境省のオンラインシステムを通じて環境大臣へ報告します。
  • オンラインシステム(遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する指針(ABS指針)に基づく報告): https://www.env.go.jp/application/mailapplication/index.html

 

    (令和8年9月16日 更新)

【用語】

  • PIC(事前同意:Prior Informed Consent)

   提供国の政府(権限ある国家当局)から得た「資源の採集・持ち出しの許可証」

  • MAT(相互に合意する条件:Mutually Agreed Terms)
   提供国(または現地の地権者・共同体)と利用者の間で交わす「契約書」
   研究目的、利益配分の割合、特許出願の可否などを細かく定める。

  • IRCC(国際コンプライアンス証明書:Internationally Recognized Certificate of Compliance)
   提供国が上記のPICやMATが正しく結ばれたことを、国際的なデータベース(ABSクリアリングハウス)に登録した際に発行される「国際的な証明書」

      

<参考>

環境省ABS指針
 https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/abs/

国立遺伝学研究所ABS支援室
 https://idenshigen.jp/database/linkv/
 https://idenshigen.jp/dllist/

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