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    (2024年度 牧 )

岡山理科大学プロジェクト研究推進事業
(2024年度 牧 )

宇宙養殖実現のための新型の擬似無重力発生装置による地上実験と関連機器の開発

 研究代表者

 研究・社会連携機構 フロンティア理工学研究所 准教授 牧 祥

 研究メンバー

 理学部 基礎理学科 准教授 新原 隆史
 研究・社会連携機構 生物生産教育センター 招聘教授 津村 誠一
 生命科学部 生物科学科 准教授 山本 俊政
 学校法人加計学園 監査室 室長 小田上 和男

 研究目的 

①本研究の背景

 好適環境水は岡山理科大学が世界に誇る研究技術シーズである。本技術を利用して海が無い内陸国(モンゴル国)でも海水魚の養殖に成功するなど数多くの実績を上げ、その取り組みは国際的に高く評価されている。そのとき我々はひらめいた。本技術は月や火星でも魚の養殖を可能にするのではないかと。

本研究の着想に至った経緯

 火星には赤道域を含め広範囲に水氷が存在し、また最高気温も+20℃近くになるため、生命活動が可能な天体であり、NASAのArtemis計画において最終目的地とされている。近年、月にも水氷が約5 wt%存在するとされ、この月資源を用いた火星有人探査が計画されている。有人による長期宇宙滞在が計画される中、農林水産省による宇宙による農業に関する補助金が実施されるなど、宇宙における食料の確保も真剣に議論され始めた。JAXAによる宇宙産業に対する基金が創設されるなど、宇宙で魚を養殖したいという本学の長年の夢を実現する好機がまさに到来した。これこそが本研究を着想した動機である。

③本研究の目的と研究期間内の目標

 本研究の最終目標は月面で魚を養殖し火星探査の食糧補給に役立てることである。月は1/6Gの弱重力環境であるため無重力環境よりは地上環境に近く、シャトル内養殖よりも技術的に容易とされる。ただし月面養殖を行うには魚卵、仔魚もしくは成魚のいずれかを月まで輸送する必要がある。成魚は維持管理や輸送コストがかかりすぎるので対象から外れる。魚卵もしくは仔魚では、無重力環境に耐えて月・火星までの輸送期間(約7日~半年)を無事に乗り切れるか検証する必要がある。類似した先行研究は皆無で、手探り状態で進める困難なプロジェクトだが、幸い我々には好適環境水という基幹技術がある。
 まず我々は仔魚の無重力影響を調べる基礎研究から開始する。地上実験で基礎的な知見を積み上げ、国際宇宙ステーションきぼう(ISS)での無重力実験を何としても実現させる。そしてISSで3ヶ月間生育させた仔魚もしくは稚魚を無事に地球に帰還させる。将来的には、日本が月面基地を建設するのに合わせて本学の養殖装置を設置する。本学にはこのような夢のある研究プロジェクトが絶対必要である。

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