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理学部 化学科
- 教授
岩 永 哲 夫
- 研究分野
構造有機化学,超分子化学,有機材料化学
- キーワード
有機合成,蛍光物質,有機機能性材料
- 研 究
テーマ -
- 新規な電子構造を持つパイ共役系分子の開発
- 芳香族ビスイミドを組み込んだドナー/アクセプター型分子の開発
- 有機系太陽電池材料の開発
研究活動の概要比較的取り扱いのしやすい汎用元素(C、H、N、O、S)から構成される有機分子を設計し、有機太陽電池など機能性材料に利用できる分子の開発が広く行われている。このような分子を開発するため に、我々は芳香族ビスイミドを基盤とした分子を設計し、置換基が持つ特異な性質を利用して化合物の研究を行っている。現在、成熟した有機合成化学の手法を利用して、汎用元素の一つで ある窒素をパイ共役系ユニットに組み込んだ新しい構造やその構造に基づいた機能をもつ分子の合成を目指 している。また、それらパイ共役系ユニットを集積させて、よく光る物質を構築したり、太陽光から電気へ変換する効率が高い有機機能性材料を開発することを目指して研究を行っている。
- 希望する
連携内容 -
- 有機太陽電池や有機半導体材料の開発
- 反応効率が高い有機合成法の開発 など
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理学部 化学科
- 教授
酒 井 誠
- 研究分野
レーザー分光、振動分光、顕微分光、時間分解分光
- キーワード
赤外超解像、ピコ秒レーザー
- 研 究
テーマ -
- 赤外超解像顕微鏡による生体分子観察
・赤外超解像分子イメージング
・分子配向イメージング
・キラリティーの観測
- 赤外超解像顕微鏡による生体分子観察
研究活動の概要従来、赤外光の回折限界による制約のため、細胞をはじめとする極微小生体試料やその反応ダイナミックス、さらには近年注目が高まっている新規機能を有するナノ材料を分子/分子集合体レベルで観察し構造解析/機能解析を赤外分光によって行う手段は赤外顕微鏡も含めて皆無でした。私たちの開発した赤外「超解像」顕微鏡は、市販の赤外顕微鏡では観察不可能であった、生体試料内部の赤外分光イメージングを超解像で実現します。下図は、人間の毛髪横断面を振動和周波光検出法で超解像赤外分光イメージングした結果ですが、市販の赤外顕微鏡では観察不可能であった毛髪の内部構造を明瞭に観察することに成功しています。得られた赤外超解像は、毛髪内部のα-ヘリックス構造を有するケラチンタンパク質のみを抽出した像であり、かつ、分子配向も観察されている事がわかりました。この方法は生体分子の観察にも極めて有効と考えています。新たな分子計測法の開発は物理化学の重要な役割であり、これにより、私たちは物理、化学、生物(生命科学)の境界領域のフロンティアを目指してます。
- 希望する
連携内容 -
- 様々な生体試料(タンパク質、糖類、脂質、細胞/生体組織など)の赤外超解像顕微鏡観察
- 新規な機能性無機/有機材料の赤外超解像顕微鏡観察
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理学部 化学科
- 教授
佐 藤 泰 史
- 研究分野
無機固体化学、無機材料化学、セラミックス合成
- キーワード
蛍光体、酸化物、高純度合成、水溶性金属錯体
- 研 究
テーマ -
- ペロブスカイト型酸化物蛍光体の高機能化と新規物質探索
- 青色光励起が可能な新しい高輝度酸化物蛍光体の開発
- 金属錯体水溶液を用いた機能性無機化合物の合成
- エネルギー関連材料の新物質探索・高機能化の方法
研究活動の概要環境・エネルギー分野での利用を目的とした無機機能物質の新物質探索と高機能化、高純度試料の合成を中心に取り組んでおります。
【具体的な研究テーマの説明:新しい蛍光体の開発】
近年、省エネルギー・長寿命という点から、照明分野を中心に白色LED素子の利用が進められております。我々は、白色LEDに利用可能な新しい蛍光体の開発に取り組んでおります。最近の成果としては、青色光照射下で強い深赤色発光を示す酸化物系赤色蛍光体:Ca2SiO4:Eu2+の発見が挙げられます。これまで青色光励起により赤色に発光する蛍光体の報告例は少なく、実用的な赤色蛍光体は窒化物系蛍光体の数種類に限られておりましたので、今回発見した蛍光体は、今後白色LED素子への応用が期待できます。
- 希望する
連携内容 -
- 蛍光体の高機能化と新規蛍光体物質の探索
- 機能性セラミックス材料の開発
- 水溶液を用いた高純度セラミックスの合成法の開発
- 水溶液合成プロセスに利用できる水溶性金属化合物の開発
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理学部 化学科
- 教授
満 身 稔
- 研究分野
錯体化学、固体化学
- キーワード
可視光駆動型レドックス触媒,光水素製造触媒,光二酸化炭素還元触媒,多孔性配位高分子、ポルフィリン化学、混合原子価錯体、磁性体、誘電体、伝導体
- 研 究
テーマ -
- 光水素製造や光二酸化炭素還元が可能な可視光駆動型レドックス触媒の開発
- レドックス活性な架橋配位子を用いた配位高分子に基づく複合機能性材料の開発
- 部分酸化型一次元複核白金錯体に基づく一次元d電子系金属の開発
研究活動の概要金属錯体は,中心金属イオンの選択とそれを取り囲む有機π電子系配位子の設計を適切に行うことにより,有機化合物や無機化合物だけでは得られない機能や物性を発現することが可能です。この錯体の特徴を利用すれば,太陽光の効果的な光捕集とそのエネルギーを利用したさまざまな触媒反応が期待されます。そこで本研究室では,可視光の捕集と様々な反応の触媒作用が可能な金属ポルフィリン錯体を用いて,光水素製造や二酸化炭素還元が可能な可視光駆動型レドックス触媒の開発に取り組んでいます。また,機能・物性を目指した研究では,酸化還元活性な配位子を用いて,混合原子価状態に基づくユニークな磁性や誘電性を示す配位高分子の開発を行っています。さらに,低温まで安定な金属状態を示す部分酸化型一次元複核白金錯体に基づく一次元d電子系金属の開発を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 可視光駆動型レドックス触媒を用いた光水素製造や光二酸化炭素還元
- 金属錯体全般 など
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理学部 化学科
- 教授
山 田 真 路
- 研究分野
生体関連高分子化学
- キーワード
DNA、環境材料、エネルギー材料、バイオプラスチック
- 研 究
テーマ -
- DNAを用いた有害物質の除去
- 生体高分子を用いた環境材料の創製
- 生体高分子を用いた非水プロトン伝導体の創製
- サスティナブルな素材を用いたバイオプラスチックの創製 など
研究活動の概要我々の身近には、サケ白子由来のDNAや脱脂大豆由来のタンパク質、カニ・エビ殻由来のキチン・キトサン、牛骨・牛皮由来のコラーゲンなど産業廃棄物として処分されている生体高分子が多く存在している。このような生体高分子は石油のような枯渇性資源とは異なるためサスティナブルな資源と言い換えることも出る。そこで、このようなサスティナブルな資源を用い、有害な有機物質を集積する素材や有害な重金属イオンまたは有用なレアアースイオンを集積する素材、燃料電池用のプロトン伝導体、生分解性を有したバイオプラスチックなどの材料開発を行っている。
- 希望する
連携内容 -
- DNAを用いた環境浄化材の創製
- サスティナブルな資源を用いた素材の開発 など
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理学部 化学科
- 教授
横 山 崇
- 研究分野
分析化学、分離科学、環境分析
- キーワード
流れ分析、分離材、分析試薬、クロマトグラフィー
- 研 究
テーマ -
- フローインジェクション分析法(FIA)による新規選択的分析法の開発
- 液体クロマトグラフィー(LC)による新規分離分析法の開発
- 環境水中の溶存有機化合物の分離分析
- 新規分離材の開発 など
研究活動の概要液体の流れを利用した分析法であるFIAやLCを軸に、炭素微粒子等を用いた分離材の開発研究、有機化合物と特異的に反応する分析試薬の開発研究、環境水中に存在する溶存有機化合物や細菌の分離分析の研究、1/1000000000リットルのサンプルと1/1000000リットルの液体の流れの中で分離分析できるナノLCの開発研究、糖やアミノ酸の自己相互作用を利用する分離分析法の研究を、可能な限り環境に配慮した方法で行っています。
- 希望する
連携内容 -
- FIAを用いた分析法の開発
- LCを用いた分離分析法の開発
- 環境水試料の分析法の開発
- 既存の分析法の自動化 など
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理学部 化学科
- 准教授
大 坂 昇
- 研究分野
高分子構造物性(溶液、ゲル・エラストマー、プラスチック)
- キーワード
階層構造解析、各種散乱法(光・X線・中性子)
- 研 究
テーマ -
- 高分子の結晶構造制御と物性・機能発現
- ブレンド・コンポジット化による構造制御と物性向上
- 高分子と溶媒との微細な相互作用の解明
研究活動の概要日常生活に欠かせないプラスチックやゲル、エラストマーなどの高分子材料は、ナノからマイクロメートルに及ぶ階層構造を制御することで、意外なほど少種類の高分子から成り立っています。当研究室では、この階層構造を制御して優れた高分子材料を創製するだけでなく、顕微鏡や散乱、分光などの測定手法を駆使して、階層構造と物性・機能(熱・力学・電気・透明性)との関係解明を行い、地球に優しい材料の創製に貢献します。
- 希望する
連携内容 -
- 高分子材料の階層構造解析
- 構造と物性(力学、熱、透明性)との関係解明
- 構造制御やブレンド・複合化による高分子の新材料開発 など
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理学部 化学科
- 准教授
若 松 寛
- 研究分野
有機化学、光化学、計算化学
- キーワード
機能性物質、光反応、電子移動、量子化学計算
- 研 究
テーマ -
- 光誘起電子移動を利用した新規光反応の開発と応用
- 量子化学計算による機能性有機分子の物性・反応性の解明
研究活動の概要光誘起電子移動を利用した新規光反応の開発とその機能性物質合成への応用を目的とした研究活動を行っています。現在主に、(1) アルカロイドの一種として天然に広く見られるインドール誘導体の光化学的合成法の開発、(2) キノンイミン型色素の効率的な光化学的合成法の開発と応用に取り組んでいます。これらの有機化合物は特徴的な酸化還元挙動を示すため、量子化学計算による物性予測の知見を取り込みながら、有機EL材料など機能性材料への応用を視野に入れて研究しています。
- 希望する
連携内容 -
- 光反応で機能が発現する有機化合物の開発
- 量子化学計算による機能性有機分子の物性・反応性の予測
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理学部 化学科
- 講師
川 本 大 祐
- 研究分野
分析化学、無機化学
- キーワード
分光分析、固液界面反応、電子状態計算
- 研 究
テーマ -
- 環境中における微量元素の移行挙動の解明
- 固液界面反応の機構と要因の解明
- 溶存化学種の吸着駆動力の解明 など
研究活動の概要化学の観点から環境中(特に水環境)における物質の動きについて研究しています。
【土壌への吸着とそれに続く状態変化の要因解明】
水環境中における物質の動きに影響を与えるものに「土壌への吸着」という現象があります。加えて近年では、物質が土壌に吸着した後に様々な変化を起こすことがわかってきました。これらの要因や機構を解明し、応用することで、水中から有害物質の除去や有価物質(貴金属など)の回収方法の開発を目指しています。
【溶存物質の性質解明】
環境水中には普遍的に様々な物質が溶け込んでいます(海水中の塩化ナトリウムなど)。このために、人為的要因で流入してしまった物質は様々な状態へ変化します。こうした
複雑な物質の性質を実験とシミュレーションを用いて解明することを目指しています。- 希望する
連携内容 -
- X線吸収分光法による化合物の状態分析
- 環境中における元素の移行挙動に関する研究
- 固液界面反応 など
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理学部 化学科
- 講師
高 橋 広 奈
- 研究分野
レーザー分光、時間分解分光
- キーワード
光化学、過渡吸収分光、EPR分光法
- 研 究
テーマ -
- 過渡吸収分光法による分子ダイナミクスの研究
- EPR分光法による光化学過程の追跡
研究活動の概要過渡吸収分光法はパルスレーザー照射により生成した過渡的な化学種による光の吸収を観測する手法です。この手法で光化学で重要な中間体を観測することで分子ダイナミクスの理解が可能です。また、過渡吸収分光法では時間分解計測により励起種濃度の時間変化を観測することで、反応速度定数の決定なども可能です。下図は測定システム装置図写真です。この装置により様々な系での分子ダイナミクスの解明を目指します。
- 希望する
連携内容 -
- 試料の光励起後の分子ダイナミクス