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理学部 物理学科
- 教授
石 田 弘 樹
- 研究分野
血流の解析
- キーワード
血流、癌、血管ネットワーク
- 研 究
テーマ -
- 発癌にともなう新生血管ネットワークの形成
- 光を使った不透明な流れの可視化
- GPGPUによる生体情報の高速処理
研究活動の概要生体内の血流を可視化することで様々な疾患の診断や予防が可能になります。例えば、皮膚癌であるメラノーマは、黒子(ホクロ)と見分けがつき難い色や形状をしています。しかし、メラノーマの腫瘍の周りの血管を可視化すると発癌にともない新生血管のネットワークが形成されています。この点は、ホクロと様子が全く異なります。腫瘍には、新生血管を介して酸素や栄養が優先的に送られます。これは、我々にとって好ましくない現象ですが、このメカニズムを解明できれば血流を遮断して癌の成長を遅らせることができるようになると考えています。
- 希望する
連携内容 -
- 新規血流計の開発など
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理学部 物理学科
- 教授
今 井 剛 樹
- 研究分野
物性理論
- キーワード
トポロジカル物質、強相関電子系、第一原理計算
- 研 究
テーマ -
- 時間反転対称性を破る新奇トポロジカル超伝導体の探索・物性評価
- ヘテロ構造界面および超格子における磁気的性質
研究活動の概要トポロジー(位相幾何学)は対象を連続変形しても保たれる性質を扱う数学の分野であり、保持する穴の数(トポロジカル数)によって対象を分類する場合、ドーナツとマグカップは等価なものになります。物質中の電子の波動関数がこのようなトポロジカル数で特徴づけられる”トポロジカル物質”では、試料端近傍で電子が極めて高速で動き回る、という特殊な状況が実現します。通常の電気伝導とは異なり、結晶中の欠陥や混入した不純物原子などの影響を受けにくいことから、トポロジカル物質は超高速コンピュータや省電力デバイスに向けた次世代高機能材料として期待を集めています。
本研究室ではデバイス設計・開発の基盤となるトポロジカル物質、特にトポロジカル超伝導体に注目し、その基礎物性を明らかにすべく、出現条件やその特異な基底状態などに対し、多体電子論および第一原理計算手法を活用した微視的観点からの解析を行っています。
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連携内容 -
- 第一原理計算手法を活用した物性評価
- 量子多体問題の解析
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理学部 物理学科
- 教授
山 本 薫
- 研究分野
機能性有機固体
- キーワード
有機伝導体、強誘電体、顕微分光、赤外・ラマン分光
- 研 究
テーマ -
- 有機伝導体の研究
- 電子型強誘電体の研究
研究活動の概要有機伝導体の伝導電子は量子論的な波動と古典的な粒子の中間的な振る舞いを示し,様々な異常特性を引き起こします。我々はこの分子性化合物から,伝導電子が粒子として振る舞って結晶格子をつくり,巨視的な電気分極を発生する物質を探索しています。電気分極に参加している電子は外部電場と強く相互作用するので,高速なスイッチや,光-電変換材料としての応用が期待できるでしょう。実験手段としては,赤外・ラマン分光による分子の局所構造解析や,非線形光学効果,円二色性観測,熱電変換測定等を適宜選択しています。
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連携内容 -
- 光学材料
- 有機薄膜材料
- 分光計測
- 顕微観測
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理学部 物理学科
- 教授
米 田 稔
- 研究分野
化合物半導体の結晶成長と物性評価
- キーワード
ナノエレクトロニクス、化合物半導体、フォトルミネッセンス測定
- 研 究
テーマ -
- II-VI族ワイドギャップ化合物半導体の物性研究
- 分子線交互供給法による化合物半導体量子ドットの作製
研究活動の概要化合物半導体の薄膜成長ならびに基礎物性研究に取組み、量子ドットを用いたナノエレクトニクスデバイス等の設計、開発に寄与する。また、半導体中の種々の欠陥にかかる光学的・電気的・結晶学的評価と物質設計支援を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 化合物半導体の結晶成長(バルク結晶、薄膜結晶)
- 低温から室温域での半導体中の発光分析と評価
- 低温から室温まで紫外可視近赤外域における光吸収測定評価
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理学部 物理学科
- 准教授
長 尾 桂 子
- 研究分野
素粒子物理学、素粒子論的宇宙論
- キーワード
素粒子、宇宙、暗黒物質、ニュートリノ
- 研 究
テーマ -
- 素粒子論・素粒子論的宇宙論
- 宇宙の暗黒物質
- ニュートリノ など
研究活動の概要物質を小さく分解していくと、すべては素粒子と呼ばれるそれ以上分解できない粒子に分けることができると考えられています。現在知られている素粒子の枠組みは実験と非常によく合う成功した理論ですが、一方でそれだけでは説明できないことがいくつも存在しています。その1つが宇宙に存在する暗黒物質です。暗黒物質は我々の知っている物質の約5倍のエネルギー密度を宇宙で占めており、これまでにわかっている素粒子の枠組みで説明することはできません。そこで、暗黒物質を調べることによって、素粒子や宇宙についてもっと本質的なことがわかると期待されています。私は、実験で暗黒物質の性質を解明する方法や、そこからわかる素粒子の性質について研究しています。また、素粒子の1種類であるニュートリノも、その質量については未知の部分が多く、暗黒物質とともに、新しい素粒子理論へのヒントであると考えられています。暗黒物質とニュートリノの性質を理論面から調べることによって、宇宙と素粒子の2つの領域にわたる物質の謎に迫ります。
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連携内容 -
- 素粒子論に関する研究
- 初期宇宙についての研究
- 物理教育 など
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理学部 物理学科
- 准教授
渡 邉 誠
- 研究分野
光学赤外線天文学、天文観測機器開発
- キーワード
宇宙、撮像、分光、偏光、補償光学、波面測定、活動銀河核
- 研 究
テーマ -
- 波面補償光学の技術開発とその応用
- 活動銀河核の内部構造、形成進化、母銀河との相互作用の解明
研究活動の概要地上からの天体観測は、地球大気のゆらぎにより光の波面が乱され、天体像の空間分解能が劣化する問題があります。この問題を克服する、歪んだ波面をリアルタイムで補正する補償光学技術の研究とそれを用いた天文観測装置の開発を行っています。さらに、この技術を生物学・医学分野へ応用する研究も進めています。
また、宇宙の数ある銀河の中には、中心に潜む超大質量ブラックホールへの物質降着時の解放重力エネルギーにより、非常にコンパクトな領域から非常に強い光やジェットを放出する活動的な銀河中心核を持つものがあります。時間変動モニターや偏光、補償光学系による高分解能撮像などの観測手法を用いて、その内部構造や物理状態を調べ、活動銀河核の形成・進化や母銀河との相互作用などの解明を目指した研究を行っています。- 希望する
連携内容 -
- 補償光学技術を用いた望遠鏡・顕微鏡、測定機器の開発など
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理学部 物理学科
- 講師
久 保 徹 郎
- 研究分野
固体物理,磁性,強相関電子系,トポロジカル物質
- キーワード
核磁気共鳴,f電子系,ワイル半金属
- 研 究
テーマ -
- 核磁気共鳴法を用いた強相関電子系およびトポロジカル物質の研究
研究活動の概要金属間化合物は構成元素の組み合わせ次第で多彩な物性を示します。その主な担い手は電子であり、それらの量子力学的な相互作用により低温では磁性や超伝導などの量子現象が生じます。特に、希土類・アクチノイドを含む化合物では、特定の軌道状態(dおよびf軌道)にある電子と伝導電子の相互作用から、通常の金属では見られない新奇な量子現象が現れ、これらの系は強相関電子系と呼ばれます。また、電子のスピン状態と軌道運動の間の相互作用と特異な結晶構造によって、ワイル半金属僧相と呼ばれる新しい電子状態が生まれることが近年明らかとなり、世界的に研究が行われています。我々は核磁気共鳴(NMR)を用いて強相関電子系やワイル半金属の示す多彩な物性の起源を明らかにすることを目指した研究を行っています。また、最新の無線通信技術を利用した小型で複製の容易なNMR分光器の開発にも取り組んでいます。
- 希望する
連携内容 -
- 核磁気共鳴を用いた物性研究
- 小型・可搬なNMR分光器の開発
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理学部 物理学科
- 講師
山 内 大 介
- 研究分野
宇宙論、重力理論
- キーワード
インフレーション、暗黒エネルギー、暗黒時代
- 研 究
テーマ -
- 一般相対性理論のほころびから迫る宇宙の加速膨張
- 電波望遠鏡で拓く暗黒宇宙 など
研究活動の概要宇宙誕生直後および現在の2つの全く異なる時期に、宇宙が加速度的に膨張しているという驚くべき結果が最新の宇宙観測から強く示唆されています。しかし、この事実は重力が引力だという性質と相容れない事実です。宇宙誕生直後に加速膨張期があったとするインフレーション理論は複数の傍証が得られており、実際に起こったものと考えられています。興味深い事実として、最新の観測成果により、宇宙のごく初期において一般相対性理論のほころびが見えている可能性が示唆されています。現在の宇宙もまた加速膨張していることが様々な観測から強く支持されていますが、この観測事実を説明するには、「暗黒エネルギー」と呼ばれる全く未知の「宇宙を加速させる何か」が必要となります。現在の宇宙の加速膨張も一般相対性理論のほころびの重要なヒントだと考えられます。私は、本質的に新しい観測量の探求のため、宇宙の最初期の情報が保存されている人類未踏の「暗黒時代」「宇宙の夜明け」の観測が鍵になると考えています。これらの時代を探査しうる電波観測を通じて、詳細な宇宙史を解き明かすことを目指しています。
- 希望する
連携内容 -
- 重力理論を切り口とした加速膨張の研究
- 電波域における宇宙論の研究 など