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獣医学部 獣医学科
- 准教授
渡 辺 俊 平
- 研究分野
ウイルス学、進化生物学、感染免疫
- キーワード
パラミクソウイルス、コウモリ、膜融合、BSL4、Quasispecies
- 研 究
テーマ -
- 高病原性人獣共通感染症ウイルスの病原性発現機構の解明
- パラミクソウイルスの神経感染機構の解明
- コドン最適化技術を用いたワクチンの開発
研究活動の概要2014年のアフリカにおけるエボラウイルスの大流行は、高病原性の新興感染症ウイルスの脅威を世界に改めて意識させました。1994年にオーストラリアで発生したヘンドラウイルス、1998年からアジアで報告されているニパウイルス、2001年のSARSコロナウイルス(CoV)、2012年から報告されているMERS CoVなど次々と新たなウイルスが出現しています。近年日本でもダ二が媒介する重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)が発見されています。バイオセーフティーレベル(BSL)3の実験室を使用して、また海外のBSL4施設との共同研究を通して、高病原性ウイルスの病原性発現機構の解明を目指します。
これまでにオーストラリアとの共同研究において、私はニパウイルス・ヘンドラウイルスの人工合成系を開発しました。そこで遺伝子変異を導入した組み換えウイルスの性状解析を行い、、リバースジェネティクス(逆遺伝学的手法)を用いて元ウイルスの性状を明らかにしていきます。さらには弱毒化ウイルスを合成することで、効果的で安全なワクチンの開発を目指します。- 希望する
連携内容 -
- 感染病理学(病理学)
- バイオインフォマティクスや有機・無機合成化学を駆使した抗ウイルス剤の開発(情報工学・薬学)
- 野生動物の疫学的研究(動物生態学)
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獣医学部 獣医学科
- 講師
糸 井 崇 将
- 研究分野
神経学、再生医学
- キーワード
脊髄損傷、脊髄再生、リハビリテーション、動作解析
- 研 究
テーマ -
- 脊髄損傷に対する新しい治療方法の開発
- 脊髄損傷マーカーの検討
- 犬の歩行解析 など
研究活動の概要再生医療は、獣医学領域においても人医学領域と同様に注目されています。また、獣医学領域での研究は、人医学領域への還元が期待されています。小動物臨床における重度脊髄損傷は、治療をしても自分の力で歩けなかったり、立てなかったりする動物が少なくないことから、脊髄損傷に新たな治療方法の開発が求められているます。本研究室では、生体組織から分離できる幹細胞や、各種サイトカインを使用した脊髄再生治療法の開発に関する研究をしています。また、脊髄損傷のさらなる病態解明や脊髄損傷動物の動作解析を研究することで、新しい治療方法の開発と同時にリハビリテーションの効果や有効性の研究をしています。
- 希望する
連携内容 -
- 幹細胞に関する研究
- 脊椎・脊髄疾患や運動器疾患の病態解析や治療に関する研究
- 分子生物学やバイオメカニクスに関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
竹 谷 浩 介
- 研究分野
生化学、生理学
- キーワード
平滑筋、細胞内シグナル伝達
- 研 究
テーマ -
- 平滑筋収縮・弛緩調節メカニズム
- 腎微小循環調節メカニズム
- 高感度リン酸化解析法の開発 など
研究活動の概要平滑筋は血管や胃、腸、尿管、膀胱、子宮などの壁の筋層を構成しており、出産から死に至るまですべてのステージで重要な役割を果たしている。働きの異なる臓器で適切に機能するために、各所に配置された平滑筋は多様な収縮・弛緩の調節メカニズムを採用している。例えば、腎臓で濾過される血液の量を調節するために働いている腎細動脈平滑筋では、血管収縮ホルモンであるアンジオテンシンIIの作用により分子モーターが活性化され収縮が起こる。一方、別の血管収縮ホルモンであるエンドセリン1が作用すると、分子モーターが異常に活性化されて腎疾患につながる可能性がある。この例のように異なる刺激に対して異なる応答がみられるとき、平滑筋細胞内で起こるイベントにどのような違いがあるのかを分子レベルで研究しています。
- 希望する
連携内容 -
- 腎疾患に関する研究
- 細胞の力学応答に関する研究
- 平滑筋以外におけるリン酸化シグナル研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
田 中 良 法
- 研究分野
細胞生物学、分子生物学、実験病理学
- キーワード
タンパク質輸送、タンパク質分解、神経変性疾患
- 研 究
テーマ -
- 細胞内分解系による細胞機能の調節に関する研究
- 小胞輸送の破綻と神経変性疾患発症の関係解明
- 認知症の病因タンパク質の脳内伝播に関する研究
- 疾患の予防・治療に有効な薬物の探索 など
研究活動の概要先進国では平均寿命の延伸と共に老齢人口が増加しています。同時に、未だ治療法のない前頭側頭型認知症(FTD)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような神経変性疾患の患者数も増加しています。FTDやALSでは、核タンパク質TDP-43が核から消失し、細胞質に凝集・蓄積することが特徴的です。TDP-43が核内で細胞の恒常性維持に不可欠な働きがあること、細胞質内に蓄積したTDP-43凝集体には細胞毒性があることが明らかとなり、TDP-43の細胞質内蓄積はFTDやALSの一因であると考えられるようになりました。プリオン病の異常プリオンが脳内を伝播していくように、FTDやALSにおけるTDP-43細胞質内蓄積病理は初発部位から脳・脊髄内を広がっていきます。しかし、そのメカニズムは明らかとなっていません。我々は、凝集しやすいTDP-43がマクロオートファジーという細胞内分解機構で分解されることを明らかにした背景から、マクロオートファジーの破綻がTDP-43細胞質内蓄積病理形成に与える影響を調べています。TDP-43細胞質内蓄積病理の抑制により、FTDやALSといった神経変性疾患の治療法開発に貢献できるような基礎研究活動に取り組んでいます。
- 希望する
連携内容 -
- 創薬
- 臨床研究
- 代謝研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
千 葉 秀 一
- 研究分野
神経内分泌学、行動薬理学
- キーワード
ストレス、神経保護、疾患モデル動物
- 研 究
テーマ -
- 慢性ストレスへの曝露による疾患の病態形成機序の解明
- ステロイドホルモンの神経保護作用 など
研究活動の概要慢性的なストレスへの曝露はグルココルチコイド等のホルモンやサイトカインの血中あるいは脳組織での濃度の上昇を引き起こし、うつ病などの病態形成に関与している可能性があります。グルココルチコイドの神経への慢性的な作用を調べるために、病態モデル動物を作成して、うつ病の治療に有用なターゲットの発見を目指しています。また、ステロイドホルモンには神経を守る作用(保護作用)があることが知られていますが、うつ病の病態ではこの作用がどのように変化するのか、また治療法の開発に使えるかどうかを調べています。
- 希望する
連携内容 -
- 神経内分泌が関与する疾患・病態に関する研究
- 病態モデル動物の開発や同モデルを利用した探索的研究
- ステロイドホルモンの作用機序に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
中 村 進 一
- 研究分野
獣医病理学、毒性病理学、野生動物医学、法獣医学
- キーワード
診断病理、実験病理、法獣医学(動物の法医学)、死因究明
- 研 究
テーマ -
- 様々な動物の自然発生性疾患の病理学的解析
- 各種病態モデルを用いた試験の病理学的評価
- 動物の死因究明 など
研究活動の概要獣医病理学は、動物の病気の原因を解明し、病気の成り立ちを研究する学問です。病気になった動物の患部を顕微鏡で調べて病理診断をしたり、亡くなった動物を病理解剖して、どのような原因またはメカニズムで病気や死に至ったのかを明らかにしています。対象動物は伴侶動物(ペット)、産業動物、実験動物、野生動物、エキゾチック動物、動物園水族館動物、魚類、無脊椎動物などあらゆる動物ですが、基礎研究を通してヒトの病気の研究も実施しています。
- 希望する
連携内容 -
- 動物の死因究明に関する研究
- 様々な動物の病気の機序解明
- 病原体の分離、同定や微量成分の分析に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 講師
林 慶
- 研究分野
寄生虫学、獣医寄生虫学、分子系統学、分子生物学
- キーワード
寄生虫、吸虫、条虫、線虫、蠕虫、進化、遺伝子
- 研 究
テーマ -
- 寄生虫の分子系統・進化・拡散と宿主の関係を明らかにする。
- 寄生虫の生態や進化の方向性とその意義を探る。
- より簡便な寄生虫の診断・同定法を確立する。 など
研究活動の概要寄生虫の生存にとって「宿主」となる動物は無くてはならない存在です。 その長い進化の歴史の中で、 寄生虫は宿主の進化に合わせて自らも進化し、宿主の移動に伴って広がってきました。私は、文字通り宿主に寄り添って生きてき寄生虫の歴史と、その大胆な生存戦略を探る試みをしています。 具体的には、宿主動物の進化や移動 といった生物地理学的な現象が寄生虫の分布や個体群に与えた影響について、 分子系統学を用いて解析しています。 また、 吸虫類や条虫類の宿主体内での動きと病態のメカニズムについて、宿主との共進化 や寄生虫の生存戦略という視点で研究を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 寄生蠕虫類の実験生物学的な研究 (宿主体内での動き・免疫・病理 など)
- 宿主となりうる家畜・野生動物の生物地理学的研究
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獣医学部 獣医学科
- 講師
藤 井 ひかる
- 研究分野
ウイルス学
- キーワード
感染症、ウイルス、遺伝子組換え、宿主特異性、疫学
- 研 究
テーマ -
- ヘルペスウイルス宿主特異性決定機構の解明
- ヘルペスウイルスー宿主間相互作用の解析
- SFTSウイルス及びその近縁ウイルスの病態発現機構の解析
- ヘルペスウイルスを中心とした疫学調査
研究活動の概要200種以上存在するヘルペスウイルスのほとんどは、宿主特異性が非常に高いという特徴を有しています。そのため、in vitroでの培養系の確立がなされていないものや、実験動物を用いたin vivoでの病態評価系が確立されていないものが多く、詳細なウイルス増殖機構の解析や病態発現機構の解析を行う上で大きな妨げとなっています。そこで、ヘルペスウイルスの宿主特異性が如何にして決定されるのかについて、組換えウイルスを作製し、ウイルス因子同士や宿主因子との相互作用について解析することで解明します。また、感染症研究の基盤である疫学調査を通じて、様々な地域の様々な動物から検出されたヘルペスウイルスの遺伝子配列の特徴と進化、生息地域別特性や病態の特徴との関連性についても解析を行います。
また近年、四国地方をはじめとする西日本において、致死率が20%と高い、重症熱性血小板減少症が発生しています。この原因となるSFTSウイルスはダニによって媒介され、ヒトのみならずネコをはじめとする動物にも感染し、人獣共通感染症としても重要です。このSFTSウイルスに近縁なウイルスであるハートランドウイルスは、やはりダニによって媒介されますが、致死率はSFTSウイルスのそれと比較すると低く、宿主域もSFTSウイルスのそれと比較すると狭いと考えられています。これら2種のウイルスを比較することで、病態発現機構や宿主特異性の決定機構について解析していきます。- 希望する
連携内容 -
- 病理学
- 統計学
- 生態学
- 蛋白質解析 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
向 田 昌 司
- 研究分野
薬理学、分子生物学、血管生物学、免疫学
- キーワード
循環器、高血圧、動脈硬化、腸内フローラ
- 研 究
テーマ -
- 高血圧症の発生及び分子メカニズムの解明
- 動脈スティフネスの病態解明
- 腸内フローラと炎症性疾患との関連の探究
研究活動の概要上記研究課題を遺伝子改変動物または摘出心血管及び培養細胞を用いて分子生物学的手法により病態を理解し、新規創薬標的を探索しています。
循環器疾患は主要な死亡原因の一つです。特に最も罹患率の高いヒトの病気が高血圧症です(米国心臓協会)。遺伝子改変動物を用いて、標的とした遺伝子が血圧調節に関わる臓器(心臓、血管、腎臓、脳)の機能にどのように影響を及ぼすか、を生理・薬理・分子生物学的手法を用いて研究しています。
近年腸内フローラの研究が進み、生体にとって重要な役割を有することが分かってきました。また、老化や炎症を伴う疾患にも腸内フローラの変化が関与する可能性が示唆されています。これらの疾患と腸内細菌叢との関連について明らかにすることで、病態機序の解明と治療薬の模索を行っています。- 希望する
連携内容 -
- 新規創薬の研究
- 循環器疾患の研究
- 腸内フローラの研究
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獣医学部 獣医学科
- 講師
村 上 康 平
- 研究分野
免疫学、骨代謝学
- キーワード
多発性関節炎、WNTシグナル
- 研 究
テーマ -
- 犬の多発性関節炎の病態解明
- 骨代謝におけるWNTシグナルの機能解明
研究活動の概要関節リウマチは、滑膜の慢性炎症を主体とする疾患で、進行すると関節軟骨や骨が侵食されて関節の機能と構造、そして余命にまで影響を与える疾患です。人の罹患率は0.5-1%とされ、比較的よくみられる疾患であることから、病態解明の研究が盛んに行われ、最近では生物学的製剤や低分子化合物による疾患の制御が可能になりつつあります。実は、犬も類した疾患「犬の関節リウマチ(びらん性多発性関節炎)」を発症することがあります。しかし、犬の関節リウマチの病態に関する研究はこれまで殆ど行われていないことから、この疾患に罹患した犬の多くは対症療法のみを余儀なくされ、関節の構造は容赦なく破壊されてしまいます。私は①犬の関節リウマチで慢性炎症を誘発する病態の解明、②関節構造が破壊される前に診断するための早期診断マーカーの同定、そして③新規治療薬の開発を目的として研究しています。
また、骨代謝において重要な役割を果たすWnt5aのアンタゴニストSfrp5の研究も行っています。Sfrp5は脂肪細胞から分泌されるアディポカインであり、脂肪細胞の代謝を調節する作用を持ちます。私達は、Sfrp5は脂肪細胞だけでなく、骨を作る骨芽細胞や骨を壊す破骨細胞の分化を調節することを発見しました。つまり、脂肪が骨を制御している可能性が考えられます。私は、Sfrp5の骨代謝制御機構を解明することをテーマに研究しています。- 希望する
連携内容 -
- 関節リウマチの研究
- 新薬の開発
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獣医学部 獣医学科
- 講師
陸 拾 七
- 研究分野
獣医動物衛生学、動物遺伝学、人獣共通感染症学、ウイルス疫学
- キーワード
牛、馬、鼻疽菌、牛型結核菌、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)
- 研 究
テーマ -
- 牛主要組織適合遺伝子複合体(BoLA)遺伝子の識別による牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の清浄化対策
- 結核と鼻疽の制圧プロジェクト
- アジア在来馬の遺伝的解析 など
研究活動の概要これまで、関東地方の5繋ぎ飼い農場を対象に、牛主要組織適合遺伝子複合体(BoLA)アレルをタイピングし、牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に抵抗性・感受性アレルを識別し、抵抗性牛を生物学的防壁として、感染牛と非感染牛の中間に配置した革新的BLV清浄化対策を行い効果が確認されたため、今後は、もっと多くの繋ぎ飼い農場へ普及させたい。さらに、フリーバーンおよびフリーストール農場においても抵抗性牛を活用した清浄化対策を実施したい。
「結核と鼻疽の制圧プロジェクト」は、モンゴルにおいて流行する人獣共通細菌感染症である結核と鼻疽に焦点をあて、日本とモンゴルの獣医学および医学研究者が協働し、疫学調査、迅速診断法の開発を行う。動物とヒトにおける結核と鼻疽の蔓延状況を調査し、動物-ヒト間、動物ー動物間における病原体の伝達の有無を明らかにする。また、簡便かつ高感度なウシ型結核菌、鼻疽菌の遺伝子診断法を開発し、得られた技術によってモンゴルのみならず他国においても結核、鼻疽に罹患する動物の特定と対策が可能となり、家畜衛生、公衆衛生の向上が期待される。
また、アジア在来馬を対象に、遺伝的多様性に関する研究を行う予定である。- 希望する
連携内容 -
- 牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)に関する研究
- 家畜の感染症に関する疫学研究
- 馬遺伝的多様性に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 助教
太 田 奈 保 美
- 研究分野
獣医疫学、微生物学
- キーワード
薬剤耐性菌、食中毒、サルモネラ、腸内細菌叢
- 研 究
テーマ -
- 動物由来の薬剤耐性菌
- 抗生物質の使用が細菌や腸内細菌叢に与える影響
- 疫学データのヴィジュアライゼーション
研究活動の概要近年、抗生物質耐性菌の増加が世界で問題視されています。抗生物質耐性菌の増加は人、動物、環境、さらにはグローバル化など様々な要素が複雑に絡み合った問題であり、One health, One medicine, One worldのコンセプトに基づいた視点から解決していく必要があります。私は抗生物質の動物での使用が耐性菌の増加に与えている影響を介入実験や既存のデータを元に明らかにしていく研究を進めています。また、細菌の全ゲノムシークエンスデータの解析や腸内細菌叢の構成から抗生物質が細菌の進化にどのような影響を与えてきたのかを解明したいと考えています。 これらに加え、疫学データを分かりやすく 可視化(data visualization) する 研究にも力を入れていきたいと考えています。
右図は抗生物質を肉牛群に投与した後、糞便中から耐性サルモネラ菌が検出された牛の割合の変化を示した一例です。
- 希望する
連携内容 -
- ビッグデータの解析
- サンプルの収集
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獣医学部 獣医学科
- 助教
大 西 章 弘
- 研究分野
臨床獣医学、放射線学、救急医学
- キーワード
放射線治療、行動解析
- 研 究
テーマ -
- 獣医療における放射線治療
- 行動量計による術後睡眠障害の検出 など
研究活動の概要獣医療における放射線治療の効果を研究しています。またセンサーを使用して動物の行動を検出し、臨床に応用できないかを検討しています。
- 希望する
連携内容 -
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獣医学部 獣医学科
- 助教
嘉 手 苅 将
- 研究分野
獣医病理学
- キーワード
診断病理学、エキゾチックアニマル、食肉衛生検査
- 研 究
テーマ -
- ミーアキャットの心拡張の病理学的研究
- 各種動物の死因解明
- シロヘビの皮膚真菌症の病理学的研究 など
研究活動の概要獣医病理学とは、動物の病気の原因とその機序を解明する学問です。動物の種類、飼育目的、生理解剖学的特徴などによって、認められる病気は様々です。
現在、特に次の研究に力を入れて取り組んでいます。
ミーアキャットの心拡張の病理学的研究では、ミーアキャットに多く認められる心拡張の原因を解明することを目的としています。特に、ビタミンE、セレンなど栄養素との関連を疑っています。
シロヘビの皮膚真菌症の病理学的研究では、天然記念物として保護されているシロヘビの死因究明を通じて認めた皮膚真菌症の原因などについて研究しています。
また、過去に食肉衛生検査所で牛と豚の食肉衛生検査を行っていたことから、今後、これらの動物の病気についても研究し、ヒトと動物の双方における公衆衛生に寄与したいと考えています。- 希望する
連携内容 -
- 理化学
- 微生物学
- 生態学 など
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獣医学部 獣医学科
- 助教
児 島 一 州
- 研究分野
ウイルス学、分子生物学、感染制御学
- キーワード
ラブドウイルス、ブニヤウイルス、プログラム細胞死、ストレス顆粒
- 研 究
テーマ -
- ウイルスの病原性発現メカニズムの解明
- 宿主のウイルス感染制御メカニズムの解明
- 新興感染症ウイルスの病原性解析 など
研究活動の概要我々ヒトや動物はウイルスから自らを守るために様々な自然免疫応答を獲得していきました。しかし、ウイルスも宿主に効率的に感染・増殖するために宿主の免疫応答を回避する能力を得てきました。
私はウイルスと宿主の免疫応答との関連の中でも、他の細胞へウイルスの感染拡大を抑制するために自ら死を選ぶ「プログラム細胞死」と、ウイルス感染時に起こる宿主の免疫応答として近年明らかになってきた「ストレス顆粒」について研究を行っています。今後は、現在問題となっている新興感染症ウイルスにも取り組み、「ウイルスが宿主に対して、どのような生存戦略をとっているか」を解明していきたいと考えています。- 希望する
連携内容 -
- ウイルスの新規病原性発現メカニズムの解析
- ウイルス感染時の宿主応答を利用した新規検査ツールの開発
- 新興感染症ウイルスの疫学調査 など
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獣医学部 獣医学科
- 助教
兒 玉 朋 子
- 研究分野
獣医薬理学、血管生物学
- キーワード
高血圧、糖尿病
- 研 究
テーマ -
- 高血圧の病態解明
- 糖尿病の病態解明 など
研究活動の概要2型糖尿病患者は2040年までに約4億人から約6億人に増加すると予測されており、高血圧は世界で約14億人が罹患しています。また2型糖尿病患者の約85%は50歳までに高血圧を発症し、高血圧患者の約50%が2型糖尿病を発症することが報告されていることから、高血圧と糖尿病を合併している患者さんが多く存在しています。大動脈といった太い血管や、毛細血管などの細い血管およびリンパ管の機能異常や構造変化が高血圧および糖尿病の病態と関連しています。私は遺伝子改変動物や摘出血管・リンパ管及び培養細胞を用いて分子生物学的手法により高血圧と糖尿病の病態を解明し、新規治療薬の開発を目指して研究しています。
- 希望する
連携内容 -
- 新規治療薬開発に関する研究
- 高血圧に関する研究
- 糖尿病に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 助教
水 谷 真 也
- 研究分野
小動物臨床獣医学、獣医外科学、獣医画像診断学、獣医麻酔学
- キーワード
軟部外科、画像診断、麻酔
- 研 究
テーマ -
- 犬の胆嚢疾患の病態解明
- 犬猫の肝疾患の研究
- 画像診断装置を用いた犬猫の外科的解剖学 など
研究活動の概要犬の代表的な胆嚢疾患に胆泥症、胆嚢粘液嚢腫、胆石症などがあるが、病態は不明な点が多い。これらの疾患はしばしば、肝外胆管閉塞(EHBO)を引き起こし、その治療には外科的胆嚢摘出が行われています。しかし、EHBO発生時の周術期死亡率は一般的に高いため、犬の胆嚢疾患の詳細な病態解明を行うことで、より安全な治療法の検討を行っています。
また、臨床獣医学における画像診断技術の進歩は目覚ましく、これらの検査データを用いた外科的解剖学(血管解剖など)への応用に関しても取り組んでおり、これらを用いて、より安全な手術法の検討を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 小動物における臨床獣医学的研究
- 小動物における肝胆道系疾患に関する研究
- 小動物における外科的解剖学の研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 助手
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酒 井 治
- 研究分野
小動物内科学、腫瘍生物学
- キーワード
腫瘍、免疫療法、犬、猫
- 研 究
テーマ -
- 小動物腫瘍の病態解析
- 小動物腫瘍に対する新規治療法の探索 など
研究活動の概要犬や猫などの小動物臨床においても、腫瘍性疾患は死因の上位を占める重要な疾患とされています。また、人と生活環境を共有する伴侶動物における自然発生性の腫瘍は、人の腫瘍と多くの共通した特徴を示すことが知られており、小動物の腫瘍研究は医学領域にも貢献できる可能性を秘めています。小動物の腫瘍についてはまだ分かっていないことも多く、腫瘍に特徴的な代謝の変化や遺伝子・タンパク発現などを明らかにする病態解析や、新規治療法に関する研究などが進められています。私は、主に分子生物学的手法を用いて、小動物腫瘍の病態解析や免疫療法などの新規治療法の探索を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 腫瘍性疾患の病態解析や治療に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 助手
中 村 有 加 里
- 研究分野
皮膚科学、寄生虫学、疫学
- キーワード
皮膚病、寄生虫、予防獣医学
- 研 究
テーマ -
- 伴侶動物の皮膚および耳の疾患に関する研究
- 寄生虫性疾患の治療に関する研究
- 予防獣医学に関する疫学的研究
研究活動の概要伴侶動物(犬、猫、エキゾチックペット)の皮膚および耳の疾患の原因、診断、治療に関する研究を行っています。また、ノミ、マダニ、毛包虫の駆除に関する研究に力を入れています。さらに、犬と猫における感染症の発生状況の調査と、犬・猫用のワクチンおよび犬糸状虫症予防薬、ノミ・マダニ駆除薬に関する薬剤疫学的な研究を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 動物用皮膚外用薬およびシャンプーの研究
- 動物の寄生虫性疾患に関する研究
- 動物用医薬品に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 助手
吉 竹 涼 平
- 研究分野
獣医腫瘍学、バイオインフォマティクス、獣医画像診断学
- キーワード
固形腫瘍、シングルセル解析、エクソーム解析
- 研 究
テーマ -
- イヌ乳腺腫瘍の悪性化メカニズムの解明
- 伴侶動物腫瘍の網羅的遺伝子解析
- 深層学習を利用した画像診断支援モデルの開発 など
研究活動の概要伴侶動物(犬・猫など)の腫瘍は、獣医療の発展に伴い数を増し、現在では死因の第一位を占めるとされています。これを克服するためには、伴侶動物腫瘍がいかに発生し、どういった経過をたどって悪性化するかといった病態メカニズムを明らかにすることが不可欠です。私は、従来的な分子生物学的手法に加えて、網羅的な遺伝子解析手法(マイクロアレイ、RNA-seq、エクソーム解析、全ゲノム解析など)やシングルセル解析・空間トランスクリプトーム解析といった最新の解析アプローチを用いて、イヌの尿路上皮がんや乳腺がんを中心とした様々な伴侶動物の腫瘍の病態解明に向けた研究を行っています。また、これらの研究を通じて培ったバイオインフォマティクスの経験を生かして、近年注目を集めている深層学習をベースとした画像診断支援モデルの開発にも挑戦しています。
- 希望する
連携内容 -
- 伴侶動物の腫瘍についての研究
- LinuxやR/Python言語を用いたバイオインフォマティクス解析 など