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獣医学部 獣医学科
- 教授
杉 山 晶 彦
- 研究分野
実験病理学、獣医病理学
- キーワード
化学物質、毒性評価、動物種、発達段階
- 研 究
テーマ -
- 化学物質が生体に及ぼす病理組織学的影響の解明など
研究活動の概要化学物質が生体に及ぼす影響は、動物種や個体の発達・成長段階により大きく異なっていることが知られていますが、その詳細に関しては未解明な課題が山積しています。私は、様々な動物種 (ラット、メダカ、ウズラ、ニワトリ、イモリなど)を対象として、それぞれの発達・成長ステージごとに化学物質の曝露実験を実施し、化学物質曝露によって誘発された病変の病理発生機構を解明することを目的とした研究に取り組んでいます。
- 希望する
連携内容 -
- 化学物質の毒性発現機構に関する分子病理学的研究 (遺伝子解析)など
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獣医学部 獣医学科
- 教授
田 口 純
- 研究分野
英語学、英語学史、言語学、コーパス言語学
- キーワード
規範的英文法、歴史社会言語学、コーパス言語学
- 研 究
テーマ -
- 18世紀に編纂された規範的英文法
- 言語学史としての英語学史
- 現代英語の大規模コーパスの分析とその応用
研究活動の概要(1)18世紀に編纂された規範的英文法を研究している。18世紀中葉に活躍した英国の文法家 James Buchanan の著作(文法書や辞書など)を歴史社会言語学的な観点から研究している。当時の社会や教育状況からなぜ規範的英文法が必要とされたのか、いかに文法書が関わってきたのか、その意図はどこにあったのかなどを研究している。また、当時の作家たちが使用していた用法と規範的英文法との相違についても彼の文法書を分析しながら考察している。
(2)コーパスを用いた現代英文法・語法を研究している。現代英語の大規模コーパスを分析することにより、規範的英文法(学校英文法)で学習する文法・語法と、現れる実際の文法・語法の相違について研究している。また、その成果を実際の英語教育の場に応用している。- 希望する
連携内容 -
- 言語学史としての英語学史や日本語学史など学際的研究
- 規範的英文法としての学校英文法の再評価
- 現代英語の分析と応用(テキスト開発など)
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獣医学部 獣医学科
- 教授
俵 修 一
- 研究分野
創薬科学、トランスレーショナルリサーチ、薬理学、基礎薬学
- キーワード
創薬、医薬品、感染症、抗菌薬、ワンヘルス、薬剤耐性、産官学連携
- 研 究
テーマ -
- 創薬研究の新たなトレンド及びアプローチ法
- トランスレーショナルリサーチの効果的かつ効率的な仕組み
- 新興・再興感染症、薬剤耐性、ワンヘルスへの取り組み
研究活動の概要身体の機能が何らかの原因で異常となり、正常状態から逸脱した状態が疾病です。薬はこの異常の原因に作用して身体の機能異常の緩和あるいは正常化を助ける物質です。創薬研究とはこの薬を創製するための研究活動で、創薬科学とはその創薬研究全般を取り扱う複合的な学問です。したがって、生化学、分子生物学、細胞生物学などの生物系の学問は無論のこと、有機化学、計算化学、天然物化学、物理化学など化学系の学問も含めた学問領域横断的な融合が必要不可欠です。最近では、ゲノム科学、再生医学や幹細胞研究、情報技術(ICT)の進展が目覚ましく、これらの創薬への活用の重要度がますます高まっています。
また、基礎研究とその医薬品としての実用化の間にはいわゆる「死の谷」が横たわっていると言われて久しく、アカデミアでの基礎研究成果を実用化へといかに橋渡しするか、産官学を挙げてのさまざまな取り組みが推進されています。
このような創薬科学を取り巻く状況において、獣医学及び獣医研究者の果たす役割は極めて大きいものがあります。薬の開発において、ヒトでの有効性と安全性を予測する上で動物での試験は必須ですし、ヒトと動物のギャップを埋める新たな方法論の開拓も重要です。また、最近では経済のグローバル化やライフスタイルの変化によって、動物を起源とする病原体のヒトへの感染や薬剤耐性菌の感染が問題となっています。これらの課題に取り組むには、ヒトと動物の生理学、薬理学、感染症などの知識と研究が欠かせません。
以上のような見地から、これまでの製薬企業およびAMEDでの経験を活かし、ライフサイエンス分野及び創薬分野を支え、さらには将来を牽引できる獣医研究者の養成に取り組みます。- 希望する
連携内容 -
- 基礎研究成果の創薬への応用
- ワンヘルスや薬剤耐性に関連する研究及び取り組み
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獣医学部 獣医学科
- 教授
手 島 玲 子
- 研究分野
食品衛生,食物アレルギー,レギュラトリーサイエンス
- キーワード
食品衛生、食物アレルギー、HACCP
- 研 究
テーマ -
- 食品中の危害物質の簡易測定法
- 食品、飼料中のアレルゲンの一斉分析及びエピトープ解析
- フードチェーンにおける危害要因の解析とHACCPの構築
研究活動の概要食品の安全のためには、科学的根拠に根差した安全管理及び品質管理を行う必要があります。食品中に存在する有害物質としては、金属、化学物質、自然毒、タンパク質、細菌等がありますが、その中で私達が研究している一つに、ヒト及び動物にアレルギーを起こす物質の解析があります。ソバや小麦等のアレルギー物質の解析に加え、食品等に混入することがあるダニや魚の寄生虫であるアニサキス等のアレルギー物質の解析も行い、アレルギー反応の予防、診断等への応用もめざしています。また、アレルゲン低減化ソバの開発にも関与しています。さらに、環境中の食物アレルゲンの測定は、フードチェーンの各段階において、衛生管理を行ううえで重要であることから、環境中のアレルゲンの迅速測定法の開発もめざしています。
- 希望する
連携内容 -
- 食品衛生
- 食物アレルギー
- 粘膜免疫
- HACCP構築
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獣医学部 獣医学科
- 教授
西 木 禎 一
- 研究分野
神経科学、神経生理学
- キーワード
カルシウムイオン、シナプス小胞、開口放出、 シナプス伝達、神経伝達物質
- 研 究
テーマ -
- 神経伝達物質放出の分子機構
- 腎糸球体足細胞間グルタミン酸シグナル伝達の役割
研究活動の概要私たちの研究グループは、神経細胞の情報伝達のしくみに興味を持っています。脳のはたらきは、神経細胞間の特殊な構造(シナプス)において、一つの細胞から別の細胞に情報が伝達されることで成り立っています。この情報伝達を担う神経伝達物質と呼ばれる分子は、神経突起の末端においてシナプス小胞に蓄えられており、小胞と細胞膜との融合により開口放出されます。この開口放出は、細胞の興奮に伴い末端内に流れ込むカルシウムイオン(Ca2+)によって引き起こされます。私たちは、伝達物質の放出メカニズムを明らかにする目的で、シナプス前終末に存在するタンパク質に焦点をしぼり、それらの機能を分子生物学的、生化学的、電気生理学的手法を組合せて解析し、Ca2+シグナルがどのような過程を経て伝達物質の放出に変換されるのか明らかにしようとしています。
- 希望する
連携内容 -
- 神経毒素の作用機序についての研究
- 腎糸球体機能における足細胞の役割の研究
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獣医学部 獣医学科
- 教授
深 瀬 徹
- 研究分野
疫学、寄生虫学、動物薬学
- キーワード
感染症、寄生虫、動物用医薬品、予防獣医学、薬剤疫学
- 研 究
テーマ -
- 動物の感染症に関する疫学的研究
- 動物の寄生虫性疾患の治療と予防
- 動物用医薬品の効能・効果と副作用等に関する研究
研究活動の概要動物の感染症、とくに寄生虫性疾患に関する疫学的な研究を行っています。なかでも犬と猫における犬糸状虫症と外部寄生虫症を主な研究対象とし、これらの疾病の発生状況等を調査するとともに、その予防への貢献を目指しています。また、動物用の各種の薬剤の開発のほか、既存薬剤の使用状況の調査、効能および効果の再検討、副作用の発生状況等に関して薬剤疫学的な研究を進め、動物への適正な薬剤の投与の確立を図っています。
写真はネコノミとマダニ。ネコノミは猫に限らず、犬でもふつうにみられ、近年の日本では、人間に寄生するノミもネコノミになっています。また、マダニは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の媒介者として注目されています。こうした外部寄生虫の駆除薬の研究も行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 動物の疾病の発生状況に関する疫学調査
- 動物の寄生虫性疾患に関する研究
- 動物における薬剤の使用状況に関する調査・研究
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獣医学部 獣医学科
- 教授
邊 見 弘 明
- 研究分野
免疫学、分子生物学
- キーワード
自然免疫、抗原提示細胞、遺伝子改変マウス
- 研 究
テーマ -
- 各種免疫応答の分子メカニズムの解明
- 各種免疫疾患、炎症性疾患の病態解明
- 抗原提示細胞による免疫制御機構の解析 など
研究活動の概要ほ乳類の免疫機構は、マクロファージや好中球、樹状細胞などによって担われている自然免疫と、B細胞やT細胞といったリンパ球によって担われている獲得免疫とから成り立っています。外界からの微生物の侵入に際し、自然免疫は特異性は低いですが素早く応答し、一方、獲得免疫は応答は遅いが特異性が高く、強力に応答します。これら自然免疫と獲得免疫とを連関させる重要な細胞として抗原提示細胞である樹状細胞が知られています。近年、自己免疫疾患やアレルギーのみならず、糖尿病や動脈硬化、痛風、神経疾患、がん、など、実に様々な疾患に免疫機構が関与していることがわかってきました。私はこのような免疫機構、特に自然免疫を中心として、遺伝子改変マウスを用いた各種免疫応答の分子基盤の解明や炎症性疾患を含む様々な免疫疾患の病態解明を目指しています。
- 希望する
連携内容 -
- 遺伝子組換えマウスを含むモデルマウスを用いた病態解明
- 免疫学的な解析を中心とした各種疾患の解明
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獣医学部 獣医学科
- 教授
星 史 雄
- 研究分野
伴侶動物の腎臓泌尿器内科学
- キーワード
猫、バイオマーカー、慢性腎疾患、上皮小体
- 研 究
テーマ -
- 早期慢性腎疾患の診断・治療・管理
- 伴侶動物の尿石症の予防
- 慢性腎疾患に伴う無機質代謝異常の診断・治療
研究活動の概要①猫は老化していくと腎臓機能が低下し、多くの猫は慢性腎疾患という形で亡くなることが多い。したがって、早期に腎機能の低下を発見し、加療することで猫の余命を延長させることができると考えている。早期の腎機能マーカーとして尿中に微量に排泄される蛋白質に注目し、その組換え蛋白質を作出し、モノクローナル抗体を作り、測定系を確立することにより、早期の慢性腎疾患の臨床利用ができる簡便な診断法を確立しようとしている。
②さらに、慢性腎疾患に併発する上皮小体機能亢進症は無機質代謝異常を発症させ、それが慢性腎疾患で現れる各種症状に直結してることがわかってきており、この上皮小体機能亢進症の簡便な早期診断診断法を確立すると共にその治療薬の各種リン吸着剤の使用法を研究している。
また、近年伴侶動物にも人と同様にシュウ酸カルシウム結石症が増えてきている。そこで、経口摂取するすべての物(フード、サプリメント等)でシュウ酸カルシウム結石が形成されるメカニズムを解明し、その形成を阻止する方法を研究している。- 希望する
連携内容 -
- バイオマーカー測定キット作成
- リン吸着剤による上皮小体機能制御法
- シュウ酸カルシウム結石形成阻止法
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獣医学部 獣医学科
- 教授
水 野 理 介
- 研究分野
人間医工学・基礎医学
- キーワード
生体制御・治療、バイオメカニクス、微小循環・末梢循環・循環力学・循環調節
- 研 究
テーマ -
- 食塩感受性高血圧症の病態生理
- サルコペニア・フレイルの病態生理学
- Drug-repositioning
研究活動の概要毛細血管床とその輸入、輸出血管である細動脈、細静脈を一括して微小血管系と呼びます。この微小血管系と組織間隙とリンパ系を含めて微小循環とされています。血液循環の主目的が生体内部環境の維持、すなわち全身の各組織細胞に対する生活物質の供給と代謝産物の除去にあることを考えるならば、微小循環こそまさに循環系で最も本質的な役割を演じる部分であり、心臓や太い血管は微小循環に適切な血流を供給する為の補助装置とも言えるでしょう。全身の細胞の生活条件は、微小循環によって直接規定されます。従って、微小循環障害は当該組織の機能不全を引き起こし、障害の部位と広さによって生命の喪失につながると考えられます。この意味においては微小循環の世界は、その名称から想像されるような微小な存在ではなく、細胞の個々からその統合体としての個体の生命維持を直接左右する巨大なシステムであることが理解できます1。我々は、様々な臓器・組織の微小循環調節機能におけるheterogeneityの理解と解析を通して、疾患の予防・診断・治療に有用なbench to bedside researchを目指しています。
1: 東健彦、神谷瞭(編)、微小循環-医学と理工学の接点-を一部改変- 希望する
連携内容 -
- 微小・リンパ循環に立脚した基礎・臨床研究
- サルコペニア・フレイルにおける獣医学ー医学橋渡し研究
- NIRSを利用した獣医学ー医学橋渡し研究
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獣医学部 獣医学科
- 教授
森 川 茂
- 研究分野
新興感染症、人獣共通感染症、ウイルス
- キーワード
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、新興再興感染症、人獣共通感染症
- 研 究
テーマ -
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- 新興・再興ウイルス感染症
- SARS-CoV-2、サル痘ウイルスなどの効率的な除染法 など
研究活動の概要新興感染症の多くが人獣共通感染症であり、種々の新興ウイルス感染症が出現している。多くは海外で発生し国内には輸入症例として患者が確認されるが、近年、中国で同定された新興ウイルス感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、国内の動物とマダニ間で病原巣を形成していて、患者が毎年数十名以上確認されている。多くの人獣共通感染症は、動物では不顕性感染することが多いが、SFTSはネコが発症し、極めて重篤な症状を呈し致死率も60%程度と高いことがわかってきた。このような人獣共通ウイルス感染症の疫学、病原性発現機構、予防法に関する研究を行っている。新型コロナウイルス感染症、サル痘などの不活化・消毒に関する研究も行っている。
- 希望する
連携内容 -
- 疫学、実験室診断
- 発症病理と予防法(ワクチン開発)
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獣医学部 獣医学科
- 教授
山 添 和 明
- 研究分野
獣医外科学
- キーワード
創傷治癒、再生獣医療
- 研 究
テーマ -
- 犬の難治性創傷の治療法
- 犬の肉球様構造物の開発
- 犬の骨折癒合不全の治療法
研究活動の概要犬の皮膚欠損に対して多血小板血漿(PRP)様因子の投与により治癒促進効果が得られた。犬の皮膚および肉球組織の表皮や真皮をそれぞれ培養することにより肉球様構造物を作製した。骨折癒合不全症例に対して骨髄間質細胞を適用することにより治癒促進効果が得られた。一方、これらの事象にはそれぞれの細胞に作用する外的機械刺激や細胞の内的な力が関与していると考えられ、これらの力を制御することができれば皮膚や骨におけるより良い創傷治癒が期待できると思われます。
- 希望する
連携内容 -
- 細胞力覚に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 教授
横 山 博
- 研究分野
水産増殖学、食品衛生学
- キーワード
魚病、魚類寄生虫、葡萄
- 研 究
テーマ -
- 魚類寄生粘液胞子虫類・微胞子虫類の生物学の解明
- 魚類粘液胞子虫病・微胞子虫病の感染防除法の開発
- 水産食品にみられる寄生虫の診断
- ワイン醸造時に廃棄される葡萄搾りかすの給餌による養殖魚の改善
研究活動の概要魚類の寄生虫の生活環は魚類以外の宿主をもつものも多く、生物学的な全体像が不明です。そこで、魚への感染を防除する目的で、それら寄生虫の生物学的特性を研究しています。
水産食品において寄生虫は異物としてクレームを受けますが、自然界ではごくありふれた存在です。人間にとって有害か無害かを正しく見極める姿勢こそ、食の安全・安心に欠かせません。
ワインの醸造過程において大量に廃棄される葡萄の搾りかすを養殖魚に給餌することにより、養殖魚の肉質改善や免疫力向上などの付加価値を付けられないか検討を始めたところです。- 希望する
連携内容 -
- 養殖現場における寄生虫病対策の開発
- 水産食品にみられる寄生虫・異物の診断法
- 葡萄搾りかす給餌による養殖魚の体質改善によるブランド化の促進 など
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獣医学部 獣医学科
- 教授
吉 川 泰 弘
- 研究分野
獣医学、人獣共通感染症学、微生物学
- キーワード
霊長類、翼手目、魚類、ウイルス、細菌
- 研 究
テーマ -
- 動物由来感染症の統御
- 新しい水産養殖法の開発
- 野生動物との駆除と共生に関する研究
研究活動の概要感染症法に動物由来感染症が組み込まれて以来、動物由来の感染症をどのように統御できるかを研究してきた。特に野生動物における病原体の振る舞いをどのように明らかにするか?野生動物や媒介昆虫の生態を調べ、監視体制を構築する方法を検討している。また、有害鳥獣としてイノシシの駆除あるいは共生があり得るかどうかを、今治市の島嶼をモデルとして多角的に検討している。愛媛県は水産養殖が盛んである、陸上養殖を念頭に、新しい水産養殖開発の研究をスタートさせた。
- 希望する
連携内容 -
- 動物由来感染症の疫学(野生動物、ウイルス、細菌)
- 魚類の孵化後の稚魚の安全な飼育法、新規ワクチン開発
- 野生動物の駆除あるいは共生、ジビエなど有効利用法など
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
伊 豆 弥 生
- 研究分野
骨生物学、運動器科学、マトリックスバイオロジー
- キーワード
コラーゲン、骨芽細胞、メカニカルストレス、加齢性疾患
- 研 究
テーマ -
- コラーゲン群による運動器制御機構の解明
- 骨芽細胞の骨形成メカニズムの解明
- 骨粗鬆症のバイオマーカーの同定
研究活動の概要コラーゲン群は構造により分類され、これまでに28種類同定されていますが、多くのコラーゲンの機能についてはわかっていません。私は、運動器に比較的高く発現にしている6型コラーゲンと12型コラーゲンについて研究を行い、これらコラーゲンは骨や筋肉、腱の強度制御に関与していることを明らかにしてきました。また、これらコラーゲンは相互に協調的に働くことで、細胞の「形」や細胞間コミュニケーションを制御することで、筋骨格系の量と質を維持していることを明らかにしました。しかしながら、これらコラーゲン分子を中心とした詳細な分子メカニズムや、骨粗鬆症やサルコペニア等、病態における役割等についてはわかっていないので、遺伝子改変マウス等を用いて研究を推進しています。また、骨折や骨粗鬆症、サルコペニアや前十字靱帯断裂などの再生医療におけるこれらのコラーゲン分子の適応や、バイオマーカーとしての可能性について、イヌ・ネコの罹患患畜を用いて検討します。
- 希望する
連携内容 -
- 再生医療を目指した材料工学、医療工学研究
- コラーゲン配向の数理解析
- イメージング研究
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
伊 藤 良 樹
- 研究分野
獣医眼科学、視覚電気生理学
- キーワード
視覚、角膜、網膜電図、視覚誘発電位、緑内障、眼科疾患
- 研 究
テーマ -
- 視覚電気生理学検査による動物の視覚評価法の開発
- 動物の視覚、および疾患と治療による影響に関する研究
- 高次画像解析機器を用いた眼科疾患の病態解明
研究活動の概要我々にとって対象を見ることで得られる視覚情報が不可欠な様に、「獣医眼科学」においても視覚は重要な感覚です。しかしながら、人間のようなランドルト環(アルファベットのCのようなマーク)を用いた「視力」検査法は犬や猫をはじめとした動物では不可能です。ではどのような方法で動物の視力を判定するか?一つは「視覚誘発電位」という脳波を測定し、脳が対象を認識したかを評価する手法が考えられます。我々は視覚誘発電位測定が含まれる「視覚電気生理学検査」を用いた「動物の視覚評価法」の開発を行っています。 高精度の動物の視覚評価によって、眼球の角膜、水晶体、網膜といった視覚を構成するのに不可欠な部位での障害をより適切に診断し、治療することができると考えています。
また、当研究室では近年発展が著しい光干渉断層計(OCT)などの眼科検査機器を獣医眼科臨床に用い、眼科疾患の病態解析と治療に関する研究を行っています。- 希望する
連携内容 -
- 比較眼科研究全般
- 眼科疾患(特に緑内障、網膜疾患)の病態解析と治療に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
鍬 田 龍 星
- 研究分野
人獣共通感染症、動物由来感染症、節足動物媒介感染症
- キーワード
ウイルス、衛生動物、疫学、野生動物
- 研 究
テーマ -
- 人獣共通感染症の疫学・感染経路の解明
- 人獣共通感染症の分子生物学、感染機序の解明
- 野生動物、疾病媒介動物の生態学 など
研究活動の概要ウイルスや細菌などの病原微生物が引き起こす感染症のうち、動物-ヒトを行き来する人獣共通感染症(ズーノーシス)を研究しています。近年、動物とヒトの距離が近くなったことや、病原微生物の診断技術が向上したことなどにより、世界には様々な人獣共通感染症が存在し、我々、人間社会の大きな脅威となっていることが明らかになってきました。これら人獣共通感染症の病原微生物が、野外で実際にどのように維持され、ヒトや動物に対してどれ位の感染リスクがあるのかを明らかにすることにより、その予防や対策に資する研究を行っています。また、実際に病原体や様々な種類の培養細胞等を用いて、病原性の評価や、病原体の感染機序の解明に向けた分子生物学的研究を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 生化学・遺伝子工学
- 感染病理
- 野生動物 など
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
後 藤 聡
- 研究分野
産業動物凛奨学
- キーワード
臨床繁殖学、予防衛生学
- 研 究
テーマ -
- 畜産における生産情報を用いた生産問題の評価
- 牛の繁殖性向上に関する研究
- 牛の症例研究 など
研究活動の概要これからの産業動物臨床は生産病対策を含む生産性向上のみならず、感染症予防や蔓延防止に寄与することが求められるため、獣医臨床繁殖学および生産獣医療学を中心に、個体・集団における疾病の発生原因、機序および病態解明と診断治療技術の構築を目的とした研究に取り組みたいと考えています。
- 希望する
連携内容 -
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
齋 藤 文 代
- 研究分野
毒性学、分子生物学、リスク評価
- キーワード
肝毒性、遺伝子発現解析、オミクス解析、分子間パスウェイ
- 研 究
テーマ -
- 肝毒性・腎毒性のメカニズム解明
- エネルギー代謝に関する臓器間連携のメカニズム解明
- イヌのフレイルにおけるバイオマーカー探索 など
研究活動の概要健康的かつ機能的で快適な生活など様々な利便性を享受するため、我々は様々な医薬品や化学物質を生み出し続け、消費者としてそれらを使い続けています。工業的に開発された化学物質の多くは人が直接摂取することを目的にしていないものの、水・大気などの環境を介して、人体や環境中の生物にばく露されています。 安心・安全な社会のためには、医薬品や化学物質による毒性を適切に評価することが重要ですが、全ての物質につい毒性評価がなされているわけではありません。そこで、本研究室では化学物質による毒性に関して、網羅的な遺伝子発現量解析などのオミクスデータを取得し、分子レベルでメカニズムを解明していく研究(トキシコゲノミクス)を行っています。さらに、毒性メカニズムに関連の高い分子を機械学習などのデータマイニングによって同定し、マーカー遺伝子とし、化学物質による発がん性を早期に予測するシステムの開発を行ってきました。
また、オミクス技術を活かし、生体内の臓器間連携による
エネルギー代謝メカニズムの解明やヒトやイヌの病態メカニズムの解明などの研究課題ににも取り組んでいます。- 希望する
連携内容 -
- データサイエンス(機械学習、データマイニング など)
- 様々な疾患モデル(遺伝子改変動物、臨床サンプルなど)
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
佐 伯 亘 平
- 研究分野
獣医腫瘍学、バイオインフォマティクス、獣医外科学
- キーワード
乳腺腫瘍、膀胱腫瘍、シングルセル発現解析
- 研 究
テーマ -
- 乳腺の発生とホメオスタシス、腫瘍発生過程の解明
- 犬膀胱移行上皮癌の分子生物学的解析
- 伴侶動物の腫瘍外科学、周術期管理に関する研究
研究活動の概要獣医療の発展に伴い、伴侶動物も高齢化が進み人間と同様に悪性腫瘍が死亡原因の上位を占めるようになりました。このような状況は伴侶動物の腫瘍治療の高度化・個別化の必要性を生むと同時に、実験動物とは異なり遺伝的多様性を持つ哺乳動物集団における自然発生腫瘍という側面から、腫瘍化過程の解明や治療法の開発において学術的に非常に高い注目を集めています。私は従来の分子生物学的手法に、Digital PCRやシングルセルシークエンスなどの次世代型解析、そしてそれらのバイオインフォマティクス解析を組み合わせて、哺乳動物の腫瘍発生・悪性化過程の解明に挑んでいます。また臨床医として伴侶動物のよりよい腫瘍外科、周術期管理を目指した研究も行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 伴侶動物腫瘍に関わる研究
- バイオインフォマティクス解析(R. python)
- 腫瘍外科、周術期管理に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
下 川 孝 子
- 研究分野
獣医腎泌尿器病学、獣医内科学
- キーワード
血液透析、血液浄化療法、急性腎障害
- 研 究
テーマ -
- 小動物における血液浄化療法の臨床応用
研究活動の概要小動物臨床の現場では病態解明が十分でなく、診断・治療法も確立されていない難治性疾患が数多く存在しています。このような疾患のブレイクスルーとなるような治療法の確立をめざして研究を行っています。特に致死率の高い急性腎障害や全身性炎症反応症候群、敗血症、治療困難な免疫介在性疾患に対して、血液透析や持続的腎代替療法をはじめとした血液浄化療法を用いた治療法の確立を目指しています。
- 希望する
連携内容 -
- 急性期血液浄化療法の研究