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獣医学部 獣医学科
- 准教授
中 嶋 幸 生
- 研究分野
比較整形外科学
- キーワード
骨の再建外科、生体微小環境
- 研 究
テーマ -
- 整形外科領域における四肢と脊椎の再建外科
- 悪性骨軟部腫瘍に対する集学的治療
- 骨や癌などの生体微小環境の網羅的解析
研究活動の概要病気を患った動物に人医療と同じレベルの獣医療を提供したいと考え、これまで国内外の医学系臨床施設において、整形外科学の分野にて研究を行ってきました。
整形外科学分野においては、人医療で実施されている四肢骨や脊椎の再建外科を小動物領域でも応用したいと考えています。ー例を挙げると、下の写真は前肢に発生した悪性の骨腫瘍を切除した後に骨を再建する手術です。
整形外科疾患に由来する腫瘍においては、切断手術以外に治療法のない難治性がんに対して、国立がん研究センター・愛媛大学整形外科・兵庫県立粒子線医療センター・Karmanos Cancer Instituteとの協力により、重粒子線治療や新規の分子標的による治療の研究を実施しています。小動物領域において、治療をあきらめられた症例に対しても、希望を見出せるよう研究を行っています。
同時に、基礎的な視点からも研究を実施しています。骨やがんをはじめ、あらゆる生体組織は種々の細胞で構成されているため、数えきれない細胞間や分子間の相互作用をすべて解析する手法がこれまでありませんでした。そこで、バイオインフォマティクスの技術を応用して、これらの相互作用を網羅的に可視化するソフトウェアを改変構築し、骨やがんの微小環境の可視化に成功しました。- 希望する
連携内容 -
- 新規材料を用いた整形外科用インプラントの臨床応用
- さまざまな生体組織の微小環境の解析
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
早 川 晃 司
- 研究分野
エピジェネティクス
- キーワード
DNAスイッチ、クロマチン制御
- 研 究
テーマ -
- 栄養状態に依存したクロマチン制御の解明
- ヒストン「糖」修飾の機能解明
- 細胞特異的な遺伝子発現制御の解明
研究活動の概要エピジェネティクスとは、「DNAの塩基配列変化を伴わず、細胞分裂後も継承される遺伝子機能の変化およびその学問領域」を意味します。哺乳類の細胞核には、約30億塩基対からなるDNAが含まれており、この配列情報は一部の例外を除いてすべての細胞で共通です。一方、細胞は種類に応じて遺伝子を使い分けています。細胞種が同じである限り、遺伝子の使い分け機構は細胞分裂を繰り返しても維持されます。このことから、エピジェネティクスによる制御はゲノム上に書かれている膨大な遺伝子のカタログから必要な遺伝子を選択して利用し、記憶する機構と言えます。
私は特に、栄養環境とエピジェネティクス制御の関連について興味を持っています。先人達の功績により、現在我々は飽食の時代の只中にいますが、その弊害として糖尿病に代表される慢性疾患の増加がもたらされました。疾病の発症にDNAスイッチであるエピジェネティクス制御の変化が起こってることは容易に想像できますが、どのような栄養素が原因になりえるか?どのようなメカニズムでスイッチが切り替わるのか?といった疑問を持って研究を進めています。- 希望する
連携内容 -
- 慢性疾患に関する研究
- バイオインフォマティクス分野
- 発生工学分野
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
久 枝 啓 一
- 研究分野
家畜衛生学、生産動物臨床獣医学
- キーワード
乳房炎、搾乳衛生、家畜飼養管理、感染症
- 研 究
テーマ -
- 乳牛における乳房炎の病態解明や防除に関する研究
- 畜産における生産性向上に関する研究
- 気候変動における畜産の役割と社会貢献に関する研究
- 産業動物臨床における診療技術の向上に関する研究 など
研究活動の概要酪農家において乳房炎は経済的に最も大きな打撃を与えています。大腸菌群による甚急性乳房炎の疫学、臨床症状とサイトカインや急性相タンパクの関係、症状と予後の関係を研究し、関連性が見いだされました。また、乳房炎の治療においては、従来の抗生物質の治療だけではなく、炎症を起こしている乳房に抗菌活性を持つローション(セラメーラ)を塗布することにより乳房の硬結や体細胞数を低下することが明らかとなりました。また、急性乳房炎の時の補助療法として、免疫活性剤の経口投与により、症状が軽減し、乳量の回復がよいことも研究中です。乳汁の細菌学的検査では、短時間のうちに乳汁を培養するほど原因菌が検出されることが、研究で明らかとなりました。乳房炎の予防としては、レプトスピラ症ワクチンを投与することにより、臨床型乳房炎が減少することが明らかとなりました。また、大腸菌群による甚急性乳房炎で初診時の血中イオン化カルシウム濃度が症状の重篤度と関係していることが明らかとなりました。乳牛の乳房炎の予防・治療・予後判定を研究しています。気候の変化に対する乳牛の血液生理学的変化とやストレスとの関係があることが明らかとなりました。この研究成果をもとに、乳の生産性向上の研究をさらに進めたいと思います。
- 希望する
連携内容 -
- 乳房炎の予防及び治療に関する研究および薬剤開発
- 生菌剤と畜産生産性の向上に関する研究
- 気候変動と産業動物におけるアニマルウェルフェアに関する研究
- 生産動物における感染性疾患対策に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
前 田 憲 孝
- 研究分野
腫瘍病理学、腫瘍外科学、免疫療法
- キーワード
CYR61、MMP、転移、T-LAK
- 研 究
テーマ -
- 動物のがんの指標となるタンパク質の検討
- 低侵襲手術法の開発
- 免疫療法の生体に及ぼす影響の解明
研究活動の概要動物のがんの予後の指標となり得るタンパク質がないか、がんの病理組織や細胞株を使って研究しています。その中でも特にCYR61というタンパク質に注目し、動物のがんの予後の指標になり得るかを調べると同時に、CYR 61ががん細胞の浸潤や転移に関与していないか、またそのメカニズムについて研究しています。
また、がん摘出後の機能障害を出来るだけ少なくする手術法、人工素材を用いてがん摘出後の機能を補助し、動物のQOLを維持する方法について研究していきます。
T–LAK療法を始めとする免疫療法を実施した際に抗腫瘍効果は見られないが、明らかなQOLの改善がみられるケースがよくあります。免疫療法の抗腫瘍効果だけではなく、生体そのものに与える影響について研究していきます。- 希望する
連携内容 -
- 動物の腫瘍マーカー、転移のメカニズムに関する研究
- 人工素材を用いた術後の機能回復、機能維持に関する研究
- 免疫療法に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
松 田 彬
- 研究分野
獣医内科学、皮膚科学
- キーワード
皮膚バリア、皮膚免疫、薬剤耐性
- 研 究
テーマ -
- 動物用新規外用剤の開発
- 皮膚pHと皮膚バリア
- 犬アトピー性皮膚炎と脂腺細胞
- 犬肥満細胞腫の薬剤耐性 など
研究活動の概要近年、動物医療においてもスキンケアが重要であることが広く知られるようになってきました。しかしイヌの表皮はヒトの表皮に比べて非常に薄いことが知られており、同じスキンケアを行うことが正しいのか、今のところはっきりしていません。本研究室では、ビーグル犬や培養細胞を用いて皮膚バリアおよび皮膚免疫を調節する様々な因子の研究を行っており、研究成果を動物臨床の現場に還元していくことを目標にしています。
- 希望する
連携内容 -
- 動物の皮膚病をターゲットにした薬剤やサプリメントの開発
- 犬の皮膚細菌叢解析
- 皮膚バリア解析
- その他、動物医療に関わる製品開発 など
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
米 加 田 徹
- 研究分野
魚病学、比較免疫学
- キーワード
水族病原微生物、疾病防除、自然免疫
- 研 究
テーマ -
- 魚介類感染症の病原因子の探索
- 養殖魚介類の疾病防除
- エビ類の生体防御機構 など
研究活動の概要大きく分けて2つの研究テーマに取り組んでいます。
一つ目は、魚介類の新規病原体の探索と疾病防除技術の開発です。種苗生産場や養殖場では原因不明の疾病がしばしば見られます。その原因は様々で、環境悪化や栄養性疾患あるいは感染症の蔓延などがあげられます。近年の飼育技術の向上とともに、養殖対象種も増しており、新たな病原体が次々と報告されています。新規病原体の特徴を明らかとするためには、遺伝子情報の取得が必要不可欠です。そこで、網羅的な遺伝子解析手法を用いて病原体を探索し、診断法や防除法の開発へと展開しています。
二つ目のテーマとして、エビ類にみられるユニークな免疫機構の解明にも取り組んでいます。無脊椎動物であるエビ類は、脊椎動物のような獲得免疫機構を有していません。ところが、ある特定の病原体については再感染に抵抗性を示す、いわゆる「免疫記憶」のような現象が認められています。本現象の発現機構を解明し、新たな疾病防除対策を提案することで生産性の向上に繋げていきたいと考えています。- 希望する
連携内容 -
- 魚介類新興感染症の病理組織学的研究
- 水族病原微生物の分子疫学的研究
- 水産増養殖の高度化に向けた技術開発 など
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獣医学部 獣医学科
- 准教授
渡 辺 俊 平
- 研究分野
ウイルス学、進化生物学、感染免疫
- キーワード
パラミクソウイルス、コウモリ、膜融合、BSL4、Quasispecies
- 研 究
テーマ -
- 高病原性人獣共通感染症ウイルスの病原性発現機構の解明
- パラミクソウイルスの神経感染機構の解明
- コドン最適化技術を用いたワクチンの開発
研究活動の概要2014年のアフリカにおけるエボラウイルスの大流行は、高病原性の新興感染症ウイルスの脅威を世界に改めて意識させました。1994年にオーストラリアで発生したヘンドラウイルス、1998年からアジアで報告されているニパウイルス、2001年のSARSコロナウイルス(CoV)、2012年から報告されているMERS CoVなど次々と新たなウイルスが出現しています。近年日本でもダ二が媒介する重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTSV)が発見されています。バイオセーフティーレベル(BSL)3の実験室を使用して、また海外のBSL4施設との共同研究を通して、高病原性ウイルスの病原性発現機構の解明を目指します。
これまでにオーストラリアとの共同研究において、私はニパウイルス・ヘンドラウイルスの人工合成系を開発しました。そこで遺伝子変異を導入した組み換えウイルスの性状解析を行い、、リバースジェネティクス(逆遺伝学的手法)を用いて元ウイルスの性状を明らかにしていきます。さらには弱毒化ウイルスを合成することで、効果的で安全なワクチンの開発を目指します。- 希望する
連携内容 -
- 感染病理学(病理学)
- バイオインフォマティクスや有機・無機合成化学を駆使した抗ウイルス剤の開発(情報工学・薬学)
- 野生動物の疫学的研究(動物生態学)
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獣医学部 獣医学科
- 講師
新 井 清 隆
- 研究分野
外科学、病理学
- キーワード
脊髄損傷、再生医療
- 研 究
テーマ -
- イヌ脊髄損傷に対する治療法の開発
- 短頭種気道症候群の病理組織学的解析
研究活動の概要脊髄損傷は獣医学領域においてもしばしば遭遇する難治性疾患です。これまでに細胞移植やサイトカイン投与など様々な治療法が開発されてきましたが、臨床症状を劇的に改善させる方法はいまだ確立されていません。私はイヌ脊髄損傷に対する簡便かつ有効な治療法の開発を目的に、サイトカインや低分子化合物による神経組織修復機構や神経細胞作出法の研究をしています。
- 希望する
連携内容 -
- 再生医療シーズに関する基礎的および臨床的研究
- 病理学的研究全般
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獣医学部 獣医学科
- 講師
糸 井 崇 将
- 研究分野
神経学、再生医学
- キーワード
脊髄損傷、脊髄再生、リハビリテーション、動作解析
- 研 究
テーマ -
- 脊髄損傷に対する新しい治療方法の開発
- 脊髄損傷マーカーの検討
- 犬の歩行解析 など
研究活動の概要再生医療は、獣医学領域においても人医学領域と同様に注目されています。また、獣医学領域での研究は、人医学領域への還元が期待されています。小動物臨床における重度脊髄損傷は、治療をしても自分の力で歩けなかったり、立てなかったりする動物が少なくないことから、脊髄損傷に新たな治療方法の開発が求められているます。本研究室では、生体組織から分離できる幹細胞や、各種サイトカインを使用した脊髄再生治療法の開発に関する研究をしています。また、脊髄損傷のさらなる病態解明や脊髄損傷動物の動作解析を研究することで、新しい治療方法の開発と同時にリハビリテーションの効果や有効性の研究をしています。
- 希望する
連携内容 -
- 幹細胞に関する研究
- 脊椎・脊髄疾患や運動器疾患の病態解析や治療に関する研究
- 分子生物学やバイオメカニクスに関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
井 上 陽 一
- 研究分野
臨床繁殖学、家畜衛生学
- キーワード
反芻類、在来家畜、家畜管理
- 研 究
テーマ -
- 反芻類の繁殖・周産期疾病・乳房炎
- 日本在来馬の活用
研究活動の概要産業動物における繁殖成績は、牧場の経営に直結する重要な要因であり、その向上には繁殖技術、衛生管理、飼料など多方面からのアプローチが必要です。今後、これまで臨床現場で携わってきたウシ以外にも、我が国では比較的研究例の少ないヤギ、ヒツジ、シカなどの小型反芻獣や、地元愛媛の天然記念物である野間馬を含む日本在来馬について、現場での繁殖に関わる問題の解決を目標とした研究を行います。
- 希望する
連携内容 -
- 地域畜産関係機関・牧場との共同研究
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獣医学部 獣医学科
- 講師
奥 田 ゆう
- 研究分野
比較解剖学、形態学、霊長類学、哺乳類学
- キーワード
骨、解剖、哺乳類、霊長類
- 研 究
テーマ -
- 霊長類の踵骨および距骨の形態学的研究
- 鯨類における大動脈弓の分岐パターン
- アジア在来馬における遺伝的多様性の解明
研究活動の概要一般的に哺乳類化石の同定や識別には歯の形態が利用されますが、霊長類の中には歯の形態が非常に似ており,他の外部形態でも識別が困難なグループがいます。従来は大きな分類にしか用いられていなかった踵骨および距骨の形態に着目し,化石を含む霊長類の識別や同定に踵骨および距骨も使用できるようにすることを目的として分析しています。また,鯨類など,特殊化した哺乳類がもつ固有の血管が他の哺乳類のいずれの動脈相同かなど,さまざまな動物を用いた比較解剖学的研究も行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 古脊椎動物に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
小 野 岳 人
- 研究分野
創薬学、運動器科学、骨免疫学
- キーワード
創薬、骨、筋、炎症、組織再生
- 研 究
テーマ -
- 骨粗鬆症やサルコペニアなどの運動器疾患に対する新規治療薬の開発
- 損傷組織の再生過程における免疫系の役割の解析
研究活動の概要本邦は世界最高レベルの長寿国であるが、平均寿命と健康寿命の間には10年もの解離がある。これは、国内に長期の介護を要する高齢者数が多く存在すること意味し、医学的・社会的に大きな問題となっている。
要介護に陥る主たる原因として、骨粗鬆症やサルコペニアなどの運動器疾患が挙げられる。これらの疾患においては、運動機能の低下により転倒や骨折のリスクが増大する。これらの治療時に床上安静となることで、運動機能の低下は急激に進行する。安静期間が長期化すると患者は高い割合で寝たきりとなり、それを契機に認知症を発症することも少なくない。このため、単に日常生活での負担を軽減させるだけでなく、転倒、骨折、寝たきり、認知症という要介護に至る一連のカスケードの進行を阻止するために、運動器疾患の治療や予防は重要であるといえる。
運動器の健康を維持するにはトレーニングが有効であるが、高齢者のトレーニングは事故に対する懸念から実施が躊躇われ、その結果さらなる運動機能低下を招くことがある。薬物療法は有望な治療法であり、新規薬物の創出が様々な研究機関や企業により試みられているが、有効な治療薬の創出には至っていない。
本研究では、ケミカルライブラリーやAI創薬により骨や筋を構成する細胞を活性化する化合物を探索する。さらに、選抜された薬剤の作用メカニズムと生体レベルでの有効性を検討し、運動器疾患の革新的な治療薬の創出を目指す。- 希望する
連携内容 -
- 新規化合物の有機合成
- 化合物に導入したビーズを用いた標的タンパク質の探索
- 骨代謝研究全般 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
Curtis Timothy
- 研究分野
外国語教育(英語)
- キーワード
英語、外国語、教育、語彙、文法
- 研 究
テーマ -
- 英語の語彙と文法
- 多読
- 内容重視言語教育
研究活動の概要英語や他の外国語の獲得を容易にする方法を見つけることに興味を持っています。したがって、私の研究は語彙や文法の獲得と、多読や内容重視教育を含む効果的な教育法に重点を置いています。
- 希望する
連携内容 -
- 英語の語彙と文法
- 多読
- 内容重視言語教育
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獣医学部 獣医学科
- 講師
久 楽 賢 治
- 研究分野
CT検査、MRI検査、超音波検査
- キーワード
CT、MRI、超音波、腫瘍
- 研 究
テーマ -
- CT検査を用いた診断の応用
- MRI検査を用いた診断の応用
- 超音波検査を用いた診断の応用
研究活動の概要画像診断は、CT検査やMRI検査などの最新の機器の発達目ぐるましく、様々な疾患に対する鑑別診断に対し、応用されています。CT検査や超音波検査では、造影剤を用いた撮影法により肝臓や脾臓などの腫瘍疾患に対して鑑別診断が試みられています。MRI検査においては、従来の撮影法に加えて様々な特殊撮影法を駆使することにより、いろいろな疾患に対する鑑別や治療判定への応用が検討されています。
私は、これらの画像診断機器を使用して、最適な撮影法の検討や疾患に対する新たな診断法などの研究をおこなっています。- 希望する
連携内容 -
- 画像診断装置を用いた研究
- 疾患に対する画像からの病態生理の追求
- 画像診断装置の開発
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獣医学部 獣医学科
- 講師
小 林 宏 祐
- 研究分野
小動物内科学、腫瘍生物学
- キーワード
イヌ、腫瘍、血液凝固
- 研 究
テーマ -
- イヌ腫瘍性疾患における血液凝固異常に関する研究
- イヌ腫瘍性疾患に対する新規治療薬の探索
研究活動の概要播種性血管内凝固 (DIC) や血栓症といった血液凝固異常は、イヌの腫瘍性疾患にしばしば随伴し負の予後因子となります。しかしながらその病態に関しては不明な点が多く、明確な診断法や有効な治療法は未だに確立されていません。そこで私は、イヌのDICの詳細な病態の解明、および新規診断・治療法の確立を目指して研究を行っています。
また私は、腫瘍性疾患に対する新規薬剤の探索も行っています。これまで多くのがん研究がなされてきましたが、現在も悪性腫瘍はヒトおよびイヌにおいて死因のトップであり、最も克服しなければならない疾患の一つです。腫瘍性疾患に対する新規治療オプションの確立は獣医療のみならず人医療に対しても大いに貢献するものと考えられます。- 希望する
連携内容 -
- 血液凝固に関する研究
- イヌおよびヒトの腫瘍性疾患に関する研究
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獣医学部 獣医学科
- 講師
杉 本 佳 介
- 研究分野
循環器
- キーワード
獣医学
- 研 究
テーマ -
- 猫の心筋症
- 犬の慢性弁膜症
- 先天性心疾患 など
研究活動の概要犬猫では、心疾患の罹患率は高いものの、病態の解明や、治療方法は未だ確立されていません。そこで、病態の解明、新規治療方法、早期診断の方法について研究を行っています。
- 希望する
連携内容 -
- 新奇デバイスの開発
- 再生医療
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獣医学部 獣医学科
- 講師
竹 谷 浩 介
- 研究分野
生化学、生理学
- キーワード
平滑筋、細胞内シグナル伝達
- 研 究
テーマ -
- 平滑筋収縮・弛緩調節メカニズム
- 腎微小循環調節メカニズム
- 高感度リン酸化解析法の開発 など
研究活動の概要平滑筋は血管や胃、腸、尿管、膀胱、子宮などの壁の筋層を構成しており、出産から死に至るまですべてのステージで重要な役割を果たしている。働きの異なる臓器で適切に機能するために、各所に配置された平滑筋は多様な収縮・弛緩の調節メカニズムを採用している。例えば、腎臓で濾過される血液の量を調節するために働いている腎細動脈平滑筋では、血管収縮ホルモンであるアンジオテンシンIIの作用により分子モーターが活性化され収縮が起こる。一方、別の血管収縮ホルモンであるエンドセリン1が作用すると、分子モーターが異常に活性化されて腎疾患につながる可能性がある。この例のように異なる刺激に対して異なる応答がみられるとき、平滑筋細胞内で起こるイベントにどのような違いがあるのかを分子レベルで研究しています。
- 希望する
連携内容 -
- 腎疾患に関する研究
- 細胞の力学応答に関する研究
- 平滑筋以外におけるリン酸化シグナル研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
田 中 良 法
- 研究分野
細胞生物学、分子生物学、実験病理学
- キーワード
タンパク質輸送、タンパク質分解、神経変性疾患
- 研 究
テーマ -
- 細胞内分解系による細胞機能の調節に関する研究
- 小胞輸送の破綻と神経変性疾患発症の関係解明
- 認知症の病因タンパク質の脳内伝播に関する研究
- 疾患の予防・治療に有効な薬物の探索 など
研究活動の概要先進国では平均寿命の延伸と共に老齢人口が増加しています。同時に、未だ治療法のない前頭側頭型認知症(FTD)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)のような神経変性疾患の患者数も増加しています。FTDやALSでは、核タンパク質TDP-43が核から消失し、細胞質に凝集・蓄積することが特徴的です。TDP-43が核内で細胞の恒常性維持に不可欠な働きがあること、細胞質内に蓄積したTDP-43凝集体には細胞毒性があることが明らかとなり、TDP-43の細胞質内蓄積はFTDやALSの一因であると考えられるようになりました。プリオン病の異常プリオンが脳内を伝播していくように、FTDやALSにおけるTDP-43細胞質内蓄積病理は初発部位から脳・脊髄内を広がっていきます。しかし、そのメカニズムは明らかとなっていません。我々は、凝集しやすいTDP-43がマクロオートファジーという細胞内分解機構で分解されることを明らかにした背景から、マクロオートファジーの破綻がTDP-43細胞質内蓄積病理形成に与える影響を調べています。TDP-43細胞質内蓄積病理の抑制により、FTDやALSといった神経変性疾患の治療法開発に貢献できるような基礎研究活動に取り組んでいます。
- 希望する
連携内容 -
- 創薬
- 臨床研究
- 代謝研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
千 葉 秀 一
- 研究分野
神経内分泌学、行動薬理学
- キーワード
ストレス、神経保護、疾患モデル動物
- 研 究
テーマ -
- 慢性ストレスへの曝露による疾患の病態形成機序の解明
- ステロイドホルモンの神経保護作用 など
研究活動の概要慢性的なストレスへの曝露はグルココルチコイド等のホルモンやサイトカインの血中あるいは脳組織での濃度の上昇を引き起こし、うつ病などの病態形成に関与している可能性があります。グルココルチコイドの神経への慢性的な作用を調べるために、病態モデル動物を作成して、うつ病の治療に有用なターゲットの発見を目指しています。また、ステロイドホルモンには神経を守る作用(保護作用)があることが知られていますが、うつ病の病態ではこの作用がどのように変化するのか、また治療法の開発に使えるかどうかを調べています。
- 希望する
連携内容 -
- 神経内分泌が関与する疾患・病態に関する研究
- 病態モデル動物の開発や同モデルを利用した探索的研究
- ステロイドホルモンの作用機序に関する研究 など
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獣医学部 獣医学科
- 講師
中 村 進 一
- 研究分野
獣医病理学、毒性病理学、野生動物医学、法獣医学
- キーワード
診断病理、実験病理、法獣医学(動物の法医学)、死因究明
- 研 究
テーマ -
- 様々な動物の自然発生性疾患の病理学的解析
- 各種病態モデルを用いた試験の病理学的評価
- 動物の死因究明 など
研究活動の概要獣医病理学は、動物の病気の原因を解明し、病気の成り立ちを研究する学問です。病気になった動物の患部を顕微鏡で調べて病理診断をしたり、亡くなった動物を病理解剖して、どのような原因またはメカニズムで病気や死に至ったのかを明らかにしています。対象動物は伴侶動物(ペット)、産業動物、実験動物、野生動物、エキゾチック動物、動物園水族館動物、魚類、無脊椎動物などあらゆる動物ですが、基礎研究を通してヒトの病気の研究も実施しています。
- 希望する
連携内容 -
- 動物の死因究明に関する研究
- 様々な動物の病気の機序解明
- 病原体の分離、同定や微量成分の分析に関する研究